講師紹介佐久間 慶子さくま けいこ

  • 担当クラス:
    小説クラス
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Profileプロフィール

1955年生。92年春期から十年、通信教育部小説クラス在籍。小説「原っぱの女たち」で第十三回大阪文学学校賞小説部門受賞。ノンフィクション「私が生きた朝鮮 一九二二年植民地朝鮮に生まれる」で第六回週刊金曜日ルポルタージュ大賞報告文学賞受賞。小説「空に縛られた鳥」で第三十回新日本文学賞佳作。〈樹林〉に「アトミック・エイジ・サバイバル」「飲みほす」「炎の飛礫」「鳥群れ」「うす皮」を発表。冊子〈繋〉編集・発行。大阪文学協会理事。

Messageメッセージ

書きながら自問する。物事の上っ面しか見ていないのでは、自分の内面と深くつながっていないのでは、と。首を振るしかなくて、書く前より大きくなった宿題を抱え込むのだ。《この程度でしかない私》をさらしつづけることが書くことなのかもしれない。川本三郎は「小説とは負の形で人を愛する作業だ」という。それは書くという形で《この程度でしかない私》を愛する作業でもあるのだろう。書かなければ、これほど自分が見えなかった、その自分のありように苦しみもしなかった、そうでしかない自分を肯定しようとも思わなかった。これからも書きつづけるしかないようだ。