講師紹介冨上 芳秀とかみ よしひで

  • 担当科目:
    本科・ 専科
  • 担当部門:
    通信教育部
  • 担当クラス:
    詩・エッセイクラス
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Profileプロフィール

1948年生。『芭蕉の猿の面』など詩集十四冊。長編評論『安西冬衛』がある。文校、冨上クラス修了生と〈詩遊〉を編集発行。〈詩的現代〉に所属。日本現代詩人会会員。
《夜・詩の連続講座講師を兼任》

Messageメッセージ

最近の詩「真っ赤な言葉」
肉の塊に食らいつく。悶えている美しい女の白い肉体。ヒクヒクと鼻をうごめかせ、猟犬は金の臭いを嗅ぐ。それから一直線に、都会の闇の中に聳えるビルの一部屋に忍び込む。そこで札束を数えている脂ぎった中年男の傍に腹ばいになる。男は札束を掴んで、大きな牛骨のように猟犬に投げ与える。あるビジネスの成立。ヒクヒクと鼻をうごめかせ、猟犬は血の匂いを嗅ぐ。その先には、深い森があって、緑の若草の上に、首を貫く弾痕から真っ赤な血を流しながら横たわっている若い雌鹿が静かに眼を閉じて死を待っている。
(〈詩的現代〉三十七号より)