詩の連続講座(夜)
在校生無料
冨上 芳秀(詩人)
「詩はなんでもありだ」ということを叫びながら、私は毎日のように詩を書いている。しかし、最近、感じることは、このスローガンには一段階、飛ばしてしまったから、誤解を生んだのではないかという懸念がある。「詩はなんでもありだ」というレベルに達する前提として、詩とは何かという感覚を身に付ける必要がある。明確な論理展開をしなくても、ぼんやりとした感覚がつかめればよい。クラスの作品や、この公開講座の作品、或いは「樹林」の学生諸君の作品を読んでいると、まだ、この詩に関する感覚を身につけている人が少ない。詩的感覚がわかっていないとよほどの天才でない限り詩は書けない。改行して感想を書けば、詩になるというものではない。改行しても、平凡な感想は感想で、詩の形にはなるが、詩にはならない。では、詩的感覚を身につけるには、どうすればいいか。すぐれた詩集を読むことである。例えば、現代詩文庫というものがある。玉石混交だが、一応の詩のレベルはある。言うまでもなく、文校のクラスや「樹林」に載っている学生諸君の詩よりはレベルは高い。これを百冊読めば、詩とは何かが感覚的につかめる。この公開講座では、毎回、ひとりの詩人を紹介している。連続して出席している人は、もう何冊も読んでいるはずだ。文校の全課程を修了するまで四年かかるとする。毎月読めば、四十八冊、百冊には半分以上、足りないが、それを補うのが、文校のクラスや公開講座である。そこにはチューターという詩的感覚を身につけた人がいて、適切なアドヴァイスをしてくれる。こうして、文校を終了して詩集を出せばいい。詩を書く人は多いが読んでくれる人は少ない。文学学校の最大の利点は読者の存在である。だから、クラスで作品を出すことはもちろん、できるだけ、公開講座に参加して、作品批評を受けて欲しい。百冊読了までの過程で、少しは詩的感覚が身につくはずである。
スケジュール
- 11月13日(月)
- 岩田宏の詩の紹介と最近の詩集についての話と提出作品の批評
- 12月18日(月)
- 吉本隆明の詩の紹介と最近の詩集についての話と提出作品の批評
- 2月19日(月)
- 飯島耕一の詩の紹介と最近の詩集についての話と提出作品の批評
備考
⦿受講希望者は詩作品を 講座日の9日前までに、大阪文学学校事務局 (〒542-0012 大阪市中央区谷町7-2-2-305)へ郵送または持参のこと。作品は各自1篇とする。 タイトルと氏名は3行、本文は37行までとする。散文詩は1行30字詰め(原稿用紙だと貼り合わせればよい)、改行詩は1行最大40字まで。提出作品は全てコピーして講座の時に配布します。