詩の連続講座(夜)

担当講師:
冨上 芳秀(詩人)
半年3回/月曜日開催
18:30〜20:30

 

在校生無料

冨上 芳秀(詩人)

詩を書く人にとって生きることは詩を書くことである。また、詩を書くことで、生きる勇気を与えられる。私は詩を書くことで何度も死から救われた。今、あなたが書きたいものが、あなたの詩である。個々人がそれぞれ自分の詩を求めているのだから、個性的な詩が書けるのである。人の人生が千差万別であるように、詩もあなたの存在そのものでなければならない。この講座は、そんなあなたの詩を書く手助けをするためのものである。四十年ほど前、私は文学学校に来た。それから、たくさんの人と出会った。詩を通じて、その人たちの人生と出会った。久しぶりの講座である。その間、私も詩を書き続けてきた。私の詩の出発点は世界が見えるようになりたいということであった。それは今も変わらないのだが、色々な詩を書いた。生活詩、抒情詩、物語詩、言葉遊びの言語実験詩、スタイルも改行詩、短詩、散文詩、短編小説のような長い散文詩、こうした経験が、あなたの詩にアドヴァイスできるかもしれない。前回の講座には平均二十人ほどの作品が提出された。その作品は生きた教材である。それらについて、私の短い講評が書いてある。前回は3、4枚のプリント(原稿用紙約18枚分の批評文である)を用意し、これを説明した。この準備には結構時間がかかった。色々な傾向の作品があるので、それに対して私がどう読み解き、批評するかを聞いて考えてもらうのが、この講座のメインである。その作品講評の前にすぐれた詩について、テーマを設けて、語りたい。これは、すぐれた詩を読むことで、詩の技術や感性を学ぶことによって詩についての認識を深めることが目的である。すぐれた詩と出会うことで自分の殻を破り、新しい詩を書いてほしいからである。詩の知識ではなく、詩を書く実力を身につけるための講座である。昔は、夜明けまで、飲みながら詩について語り合った。すっかり年をとったので昔ほど、付き合えないが、講座後、懇親会もやっているので、その場で質問してくれればいい。何しろ人数が多いので各自の作品にはそんなに時間をかけられないし、質問の時間も取れないから、そこでゆっくり語り合いたい。

スケジュール

10月28日(月)
洗練された洒落た詩を書きたいなら、杉山平一の詩はどうだろうか。人生を深く切り取る詩や鮮やかな詩は生活詩を書く人にお勧めしたい。98歳まで生きて、みずみずしい詩を書き続けた詩人は尊敬する人であった。
1月27日(月)
戦後、最高の抒情詩詩人は黒田三郎であると私は思う。〈僕は/僕の破滅を賭けた/僕の破滅を/この世がしんとしづまりかえっているなかで/僕は初心な賭博者のように/閉じていた眼をひらいたのである〉(「賭け」最終部)「紙風船」という歌を知っているかい。あの歌詞は黒田三郎が書いた。いや、黒田の詩に曲を付けたということである。他にも曲を付けられた詩があるからポピュラーな詩人だともいえる。詩と詞の話も少ししよう。
3月2日(月)
日本語の特質の韻律を利用した音楽性のある詩を書きたいって? それなら那珂太郎の詩集『音楽』を研究することだ。日本語の特性を十分に生かした詩を追求している。〈むらさきの脳髄の/瑪瑙のうつくしい断面はなく/ゆらゆらゆれる/ゆめの繭 憂愁の繭/けむりの糸のゆらめくもつれの/もももももももももも/裳も藻も腿も桃も〉(「繭」冒頭)こんな感じだ。那珂太郎の詩を読む前に、私も昔、万葉集を読んでいて頭韻には気がついたのだが…。とにかく詩は新しく言葉の実験をしていかなくてはいけない。

備考
◎受講希望者は詩作品を講座日の5日前までに、担当講師宅へ郵送のこと。作品は各自1篇とする。タイトルと氏名は3行、本文は37行までとする。散文詩は1行30字詰め(原稿用紙だと貼り合わせればよい)、改行詩は1行最大40字まで。提出作品は全てコピーして講座の時に配布します。人数が多くコピーがたいへんですので枚数は守ってくださるようにお願いします。
郵送先は事務局 (06-6768-6195) までお問い合わせください。またはお問い合わせフォームよりお問い合わせください。