文章講座(昼)

担当講師:
馳平 啓樹(作家)
半年3回/土曜日開催
15:00〜17:00

書くための極意

在校生無料

馳平 啓樹(作家)

●はせひら・ひろき●
1979年生。2012年3月まで3年間、文校在籍。著書に第113回文學界新人賞受賞作「きんのじ」など4編を収録した小説集『かがやき』(水窓出版)。


 文章に、上手いも下手もありません。面白いもつまらないもないです。あるとするなら、それは一文字一文字に託された書き手の姿ばかりでしょう。みなさん、知ってますか? 文章を書くのは恐いことです。それを人前に晒すのはもっと恐ろしいことです。だからこそ、楽しく書きませんか。のびのびと書きませんか。他の誰でもない、あなた自身の文章を、存分に書いてみたいと思いませんか。
 本講座は、作家井上ひさしさんの教えにならい、以下の構成で進めます。文章を書くために一番大切なことを共に学びましょう。熟練した書き手の参加も歓迎します。

スケジュール

5月13日(土)
「自分にしか書けないことを書きましょう」
最初にして最大の難関に挑みます。自分をどこまでも掘り下げ、深々と分け入り、その奥底で掴んだ手掛かりを文章に詰め込むのです。出来映えは二の次。選び取った言葉が何故「自分」と言い切れるのか。ただそれだけを繰り返し自問しましょう。

課題:自分にしか書けない過去・現在・未来・信念をひとつ選んでどこまでも書き切る。
6月17日(土)
「誰にでも分かる言葉を書きましょう」
どうにかして手繰り寄せた自分自身の文章は、まだあなただけの暗号です。角張った言葉に居座る自分を落ち着かせ、時に突き放し、柔らかくほぐす必要があります。そのひと手間を経て、文章は論理性を高め、初めて読み手の懐に届けられるのです。

課題:文章に込めた自分を遠くから眺め、誰にでも分かる言葉に置き換える。
9月2日(土)
「すきま風の吹く文章を書きましょう」
仕上げとして、文章にすきま風を吹かせます。言葉の谷底から新たな空へと、あなたが羽ばたいてゆくためです。読み手は文章の世界に舞い降り、あなたに代わって踊り尽すでしょう。それこそが、文章を書き、人に読まれることの醍醐味なのです。

課題:文章の無駄を削ぎ落す。削って生まれたすき間に、羽根のある言葉を再配置する。

備考
⦿2回目以降の講座は前回書いた文章を書き直す形で進めます。途中参加OKです。
⦿課題がうまく書けない方は自由に書いて頂いても構いません。
⦿課題作は当日、作者に朗読して頂きます。
⦿字数の目安は1000字でお願いします。
⦿提出期限は各講座の10日前。大阪文学学校事務局(〒542-0012 大阪市中央区谷町7-2-2-305)まで提出願います。