第21回 小野十三郎賞決定!

第21回小野十三郎賞は、9月20日(金)の最終選考会において、下記のように決まりました。
選考委員は、詩集部門(倉橋健一、小池昌代、坪内稔典)、詩評論書部門(葉山郁生、細見和之、山田兼士)の六氏です。
今回、選考対象としたのは、7月10日締切までに全国各地から応募のあった詩集106冊、詩評論書5冊でした。

《小野十三郎賞(「詩集」及び「詩評論書」各1点)、賞金各30万円》

詩集部門 『stork mark(ストークマーク)』(モノクローム・プロジェクト 刊)
犬飼 愛生(いぬかい・あおい)


詩評論書部門 『クリティカル=ライン 詩論・批評・超=批評』(思潮社 刊)
添田 馨(そえだ・かおる)

 今回から詩集、詩評論書、2部門に分けての選考を行うことになり、詩集は犬飼愛生さんの『stork mark』(モノクローム・プロジェクト)、詩評論書は添田馨さんの『クリティカル=ライン 詩論・批評・超=批評』(思潮社)が受賞した。『stork mark』は子育て、夫婦、親子となど日常生活の中で起こる葛藤や齟齬をモチーフにしながら、独自のユーモアやアイロニーに満ちた詩句によって、多様な観点から、日常を一歩突き抜けた表現に結晶している。事後的に回想した観点ではなく、リアルタイムに描かれる子育て詩は希少で、41歳という年齢のこともあり、今後に大いに期待できる詩人である。『クリティカル=ライン』は、1960年代から現在にいたる詩を強い批評意識をもって論じつつ、詩を論じる詩論自体を論じるというメタ意識に貫かれていることが高く評価された。吉本隆明の批評を本質的なところで継承しながらも、吉本が否定していたと思われる若い世代の詩の表現に批評の言葉を寄り添わせようとしているところも注目された。

過去の受賞者一覧
第1回受賞
小野十三郎賞
詩集『墓を数えた日』 瀧 克則(大阪府)
小野十三郎賞記念特別賞
詩誌『核』(北海道)/詩誌『三重詩人』(三重県)
第2回受賞
小野十三郎賞
詩集『言葉の河』 高橋 秀明(北海道)
第3回受賞
小野十三郎賞
詩集『夕方村』 八重洋一郎(沖縄県)
詩評論書『詩論の現在Ⅰ~Ⅲ』 北川 透(山口県)
第4回受賞
小野十三郎賞
詩集『陣場金次郎洋品店の夏』 甲田 四郎(東京都)
小野十三郎賞特別賞
詩評論書『マンデリシュターム読本』 中平 耀(神奈川県)
第5回受賞
小野十三郎賞
詩集『バース』 苗村 吉昭(滋賀県)
小野十三郎賞特別賞
詩評論書『戦後関西詩壇回想』 杉山 平一(兵庫県)
第6回受賞
小野十三郎賞
詩集『朝鮮鮒』 渋谷 卓男(神奈川県)
第7回受賞
小野十三郎賞
詩集『語族』 添田 馨(埼玉県)
第8回受賞
小野十三郎賞
詩集『学校』 たかとう匡子(兵庫県)
第9回受賞
小野十三郎賞
詩集『影たちの墓碑銘』 長津功三良(山口県)
詩集『宙家族』  中岡 淳一(大阪府)
小野十三郎賞特別賞
詩評論書『栗生楽泉園の詩人たち』 久保田穣(群馬県)
第10回受賞
小野十三郎賞
詩集『ババ、バサラ、サラバ』 小池 昌代(東京都)
詩集『ナナカマドの歌』 田中 郁子(岡山県)
小野十三郎賞記念特別賞
詩評論書『評伝 パウル・ツェラン』 関口 裕昭(愛知県)
第11回受賞
小野十三郎賞
該当作なし
小野十三郎賞特別奨励賞
詩集『象牙の塔の人々』 山口 春樹(大阪府)
詩集『野川』 岡島 弘子(東京都)
第12回受賞
小野十三郎賞
詩集『青天の向こうがわ』 三井喬子(石川県)
小野十三郎賞特別賞
詩評論書『山上の蜘蛛』 季村敏夫(兵庫県)
第13回受賞
小野十三郎賞
詩集『水源地』 谷元益男(宮崎県)
第14回受賞
小野十三郎賞
詩集『真心を差し出されてその包装を開いてゆく処』 宋敏鎬(群馬県)
第15回受賞
小野十三郎賞
詩集『ワイドー沖縄』与那覇幹夫(沖縄県)
第16回受賞
小野十三郎賞
詩集『農場』杉谷昭人(宮崎県)
第17回受賞
小野十三郎賞
詩集『ツィゴイネルワイゼンの水邊』平林敏彦(神奈川県)
小野十三郎賞特別賞
詩集『地球にカットバン』宮内憲夫(京都府)
第18回受賞
小野十三郎賞
詩集『九月十九日』 森水陽一郎(千葉県)
小野十三郎賞特別賞
詩集『黎明のバケツ』平野晴子(愛知県)
第19回受賞
小野十三郎賞
詩集『賜物』金田久璋(福井県)
詩評論書『鮎川信夫、橋上の詩学』樋口良澄(神奈川県)
第20回受賞
小野十三郎賞
詩集『結晶体』吉田義昭(東京都)
詩集『シバテンのいた村』西岡寿美子(高知県)