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【4月28日<日>PM2~4】東京から吉増剛造さん(詩人)をお招きしての公開・特別講座に教室聴講94名。内訳は、文校チューター8名、在校生33名、休学生5名、文校OB・OG10名、一般38名。Zoom視聴は、文校チューター3名など19名。

半年に一度、東京などから著名な作家・詩人・文学関係者をお招きして、大阪文学学校で催す公開の特別講座。コロナ下のこの3年半の間に、田口ランディさん(20年7月)、小川洋子さん(21年3月)、三浦しをんさん(21年9月)、堀江敏幸さん(22年2月)、大島真寿美さんと川田・「オール讀物」編集長(22年8月)、小山田浩子さん(23年2月)、宮内勝典さん(23年5月)、三田誠広さん(23年10月)にゲストとして登場していただいています。小川さん・三浦さん・堀江さんはZoom出演のかたちでしたが、その他の方々は文校に直にお越しいただいています。今回も、東京から吉増剛造さんを文校教室にお招きすることができました。

4月28日(日)午後2時、東京から吉増剛造さんをお招きし、公開・特別講座ははじまりました。《演題》は「詩とは何か――土方巽(ひじかたたつみ)の舞踏言語をめぐって」で、[聞き手]は文校と縁の深い倉橋健一さん(詩人・文芸評論家)でした。細見和之・大阪文学学校校長が司会を務めました。
文校教室に集った94名のうち一般参加は、東京や長野など遠来からも含めて38名。新旧の文校OB・OGの姿も10名。85歳になる吉増さんの人気は全く衰えていないと思い知らされました。

細見校長によると、特別講座の模様は次のようでした。
【吉増さんによる独特のカラー刷りのテクストを、吉増さん自身が読み上げてゆくところからはじまった。それは、土方巽の舞踏を言語として読むのではなく、土方巽が書き残した、飛躍の多いテクストから、言語そのものの舞踏を読み解くような試みだった。倉橋さんはそこに吉増さん自身のテクストの特異さを重ねて語っていった。書き上げられたテクストを残すべきか焼くべきかという議論もあった。詩の可能性、言葉の可能性は、瞬時に焼き尽されるテクストのうちにのみあるのではないか。土方の言語=舞踏はそんな強い思いを吉増さんに抱かせているようだった。】
会場との質疑応答のコーナー(30分)に移って、一般と在校生で計6名が質問に立ちました。吉増さんはそれぞれにゆったりと丁寧な回答を返されていました。
最後に、葉山郁生・大阪文学協会代表理事が挨拶して、2時間の特別講座を盛況のうちに終えました。

文校事務局で取り寄せていた吉増さんの講談社現代新書『詩とは何か』の販売を受付でおこないましたが、講座が始まる前に15冊が完売。講座終了後のサイン会には、自宅から吉増さんの詩集を持参して来ていた人もふくめ25名ほどの列ができました。

その後、午後5時前から、文校近くの中華料理店において、吉増さんを囲む“懇親会”を持ちました。みんなで20数名。

◆吉増剛造さんには2018年6月、文校・特別講座でも講演をしていただいています。演題は「折口信夫(おりくち・しのぶ)と大阪」。幾多の資料を会場に配布し、音声や映像もまじえて、大阪出身の折口について軽妙にかつ熱を込めて語られていました。1時間30分、立ちっぱなしでした。
その講演録は、吉増さんに後日手を入れてもらい、『樹林』18年12月号に収録されています。残部がありますので、ほしい方は文校事務局まで。現文校生に限り、無料でお渡しします。