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【6月7日<土>】東京から小林龍之さん(文芸編集者)を招いての公開・特別講座に教室聴講55名。文校出身作家の朝井まかてさんと木下昌輝さんも。ほかに昼間部チューター2名、在校生35名(うち春の新入生5名)、休学生6名、修了生5名、一般5名■Zoom視聴49名(うち新入生14名)

【<中央>マイクを持つ小林龍之さん/左上で横向きが木下昌輝さん<左>と朝井まかてさん<右>】

半年に一度、東京などから著名な作家・詩人・文学関係者をお招きして、大阪文学学校で催す公開の特別講座。在校生は、教室・Zoomとも無料で参加できます。
コロナ禍以降のこの5年間に、田口ランディさん(20年7月)、小川洋子さん(21年3月)、三浦しをんさん(21年9月)、堀江敏幸さん(22年2月)、大島真寿美さんと川田・「オール讀物」編集長(22年8月)、小山田浩子さん(23年2月)、宮内勝典さん(23年5月)、三田誠広さん(23年10月)、吉増剛造さん(24年4月)、藤岡陽子さんと玄月さん(25年2月)にゲストとして登場していただいています。小川洋子さん・三浦しをんさん・堀江敏幸さんはZoom出演のかたちでしたが、その他の方々は文校に直にお越しいただいています。
今回も、小林龍之さん[講談社の文芸編集者]を文校教室にお招きすることができました。
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●6月7日(土)午後4時、東京から小林龍之さん(文芸編集者)をお招きし、公開/特別講座ははじまりました。《演題》は「エンタメ小説の現場から」。司会は、小原政幸・文校事務局長が務めました。

●教室に集った55名の中には、昼間部チューターの谷良一さんと名倉弓子さん、埼玉、愛知、岡山、広島からやってきた在校生もいました。更には、単行本や文庫本づくりで小林さんと縁のあった朝井まかてさんと木下昌輝さんの姿もありました。お二人とも、大阪文学学校の修了生で、朝井さんは直木賞(『恋歌』講談社・刊)など多数の受賞歴があり、木下昌輝さんは直木賞候補に4度ノミネートされていて、つい最近『愚道一休』で第10回渡辺淳一文学賞と第44回新田次郎文学賞をW受賞しています。

●講談社で単行本や文庫本の部署にいた小林さんの淀みのない1時間余りの講演は、“作家と編集者の関係”や“作品が世に出るまでの裏話”など興味の尽きない話ばかりでした。浅田次郎さんの『蒼穹の昴』を文庫本として4巻出すにあたり“帯”やウラ表紙の“あらすじ”に取り組んだ苦労話、朝井まかてさんが『恋歌』に取りかかるまでの経緯や直木賞受賞後のあわただしさ、内館牧子さんの「高齢者小説」シリーズの1冊『すぐ死ぬんだから』を大幅に書き直してもらったエピソード・・・・・・。
最後に小林さんは、書き手を目指している大方の聴衆に向けて、「小説家は、楽しみより苦しみのほうが多い。読者のために書いていることを忘れていないからだ」と締めくくられた。

●短い休憩をはさんで、朝井まかてさん、木下昌輝さんにも一言ずつ挨拶をしてもらいました。お二人とも、文校在籍時のことを振りかえりながら、書き読む仲間がいる文校という場を有効に活用してほしい、という話をされました。


▲朝井まかてさん[2020年春以降、文校特別アドバイザーを引き受けていただいている。春・秋の入学式では新入生を激励するお話をされる]


▲木下昌輝さん[昨秋、大阪では66年ぶりに行なわれた“文士劇”にちなむTシャツを着こんでいる。出演16名の中に、木下さん、朝井さん、小林さんも]

◆会場と小林さんの質疑応答のコーナー(残りの30分間)に移って、在校生と一般で計8名が、いま自身がぶつかっている問題などを質問しました。小林さんは、それぞれに丁寧な回答を返されました。

大いに勉強になった2時間の特別講座を盛況のうちに終えることができました。

◆特別講座終了後、文校事務局で取り寄せていた朝井まかてさん、木下昌輝さんの著作の販売・サイン会も行ないました。文士劇のパンフレットやTシャツも。朝井さんや木下さんと直に話できる機会になりました。

◆その後、午後6時30分少し前から9時過ぎまで、文校近くの中華料理店において、小林さんと朝井さんを囲む“懇親会”を持ちました。みんなで20数名。