市街地ギャオさん<文校修了生>、第1回永井荷風文学賞を惜しくも逃す!その最終候補にあがっていたのは第40回太宰治賞受賞作『メメントラブドール』★ギャオさんは、『群像』12月号で中編「アニマル・フーガ」を発表
永井荷風文学賞は、三田文学会と千葉県市川市の共同主催[後援/慶応義塾]で昨年、創設されています。
五名の選考委員それぞれが推薦した作品が最終候補になります。小説、随筆、評論、戯曲、詩、翻訳などジャンルを超えた“異種格闘技”で、最優秀作品一点に賞が授与されます。
大阪文学学校修了生・市街地ギャオさんの『メメントラブドール』(筑摩書房)は、金原ひとみさんの強力な推薦で永井荷風文学賞の最終候補5作にノミネートされていました。
選考会の模様は、三田文学会発行の『三田文學』25年夏・秋合併号(162号)誌上で26ページにわたり詳しく紹介されています。それによれば、『メメントラブドール』は、選考委員五氏による挙手投票で2回生き残りましたが、3回目の決選で次点に泣きました。

以下に、『三田文學』25年夏・秋合併号から、選考委員・金原ひとみさん、司会・荻野アンナさん、選考委員・松浦寿輝さんのそれぞれが『メメントラブドール』を高く評価している発言箇所を抜粋します。

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●市街地ギャオさん<大阪市/1993年生まれ>は、2018年4月に大阪文学学校へ入学し、夜間部本科小説・小原政幸クラスに1年間だけ在籍していました。その後、23年4月に昼間部に再入学し、本科小説・大西智子クラスに1年間属しました。24年4月から1年間休学。在籍中に執筆した『メメントラブドール』が24年5月、第40回太宰治賞を受賞しています。なお、受賞はかないませんでしたが、『メメントラブドール』は第46回野間文芸新人賞候補作にノミネートされています。
太宰賞贈呈式や、ギャオさんが載った毎日新聞・朝日新聞を次に紹介します。
□24年7月3日・文校ブログ“お知らせ”欄(贈呈式)
□24年11月2日・文校ブログ(毎日新聞)
□24年12月12日・文校ブログ(朝日新聞)
●太宰賞受賞以降、いろいろな文芸誌で市街地ギャオさんの名前を拝見します。
□『文學界』25年10月号の<文學界図書室>・・・中西智佐乃『橘の家』の書評・「変わりゆく時代、変わらない痛み」
※【『橘(たちばな)の家』は第38回三島由紀夫賞受賞作。中西さんは文校修了生】
□『群像』25年12月号・・・中編小説「アニマル・フーガ」
※【2段組77ページに及ぶ力作。次は、『群像』12月号の出だしページ】

(小原)

