★新刊紹介☆宮嶋英子さん(文校通教部6年/福島県いわき市)ノンフィクション『戦後八十年 私のアイデンティティ再発見』●宮嶋さん情報・・・いわき市の同人誌『風舎』は、文校の“合評会”(NHK録画)から学ぼうとしている。
宮嶋さんが大阪文学学校に入学したのは2020年4月で、以来ずっと通教部のエッセイ・ノンフィクションクラスに在籍し、スクーリングにもほぼ毎回駆けつけています。5年半の音谷クラスを経て、現在は木元クラス。
著書『戦後八十年 私のアイデンティティ再発見』<歴史春秋社/1,300円+税>の巻末の“著者プロフィール”にあるように、文校に入る3年前まで、福島県内で歯科医師でした。
その著書の「はじめに」には、次のような一節があります。
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父の次兄である伯父は、父より十五歳年長で、一九一一(明治四十四)年生まれ。
沖縄の戦地で陸軍嘱託歯科医という立場にあった。
伯父は自分の戦争体験を一冊の書に著している。その「序にかえて」に、曾野綾子が書いている。彼女は昭和四十四年、週刊現代に『生贄の島――沖縄女生徒の記録』を発表した。そのノンフィクションを書く際に、伯父・平良進と知り合い、その後も交友関係があったことを記している。それが契機になって、伯父は晩年、沖縄戦の体験を自ら執筆して、記録に残そうという気持ちを抱いた。
その著書から私は、伯父が実際に体験した貴重な沖縄戦の実態を知ることができた。
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伯父の著書『陸軍嘱託歯科医の沖縄戦』(1979年刊行)を引用しつつ、戦時中の状況に思いを巡らし書きすすめたのが、『戦後八十年 私の――』の中の〈第2章 伯父の沖縄戦〉である。自決を覚悟し彷徨う伯父の姿は、胸に迫ってきて、圧巻である。
※今年9月まで宮嶋さんの担当チューターだった音谷健郎さんが、『樹林』26年1月<冬>号に『戦後八十年 私のアイデンティティ再発見』について“書評”を寄せています。
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宮嶋英子さんが、いわき市の〈文藝風舎〉というサークルが出している同人誌『風舎』第17号(23年3月発行)を届けてくれました。宮嶋さん自身は、そのサークルには加わっていないのですが、その同人誌の“編集後記”を目にする機会があり、「大阪文学学校に通う者の一人として誇らしく」なったとのことです。
その“編集後記”で、文校について触れている箇所は次のとおりです。

ここに出てくる「大阪文学学校・合評会の熱い夜」というのは、2009年2月中旬の土曜日、夜10時台、30分にわたって“合評会の熱い夜~大阪「小説は人生や」”と題して文校のことがNHK総合テレビで全国放映されたことを指しているようです。
それを録画し、文校とはまったく縁のない人たちが、今も参考のために観ているとは・・・・・・。ビックリするやら、うれしいやら。
『風舎』第17号を届けてくれた際の宮嶋さんの手紙には、「おそらく全国には、同じように、大阪文学学校を目指して、切磋琢磨している無数の同人会があるのではないか、と推測されます。そのことが嬉しく、誇らしいです」としたためられていました。
(小原)


