【10月31日(金)/朝日新聞・文化面】第27回小野十三郎賞授与式の模様を伝える。文校の“校旗”をバックにした受賞者(岡本啓さん・江畑實さん)の写真も。もう一人の受賞者・高橋修宏さんは体調悪く欠席。
朝日新聞社のご厚意により、小野十三郎賞贈呈式の会場は昨年度(第26回)まで中之島フェスティバルタワー12階のアサコムホールでしたが、今年度(第27回)は授与式と名称を改め大阪文学学校でおこないました。しかも、秋期入学開講式の中で執りおこないました。秋の新入生や大阪文学学校のチューター(講師)を中心に、教室に56名、Zoomで22名の出席がありました。
その小野賞授与のコーナーでは、受賞者に葉山代表理事から賞状と賞金目録が手渡されました。今回の小野賞受賞作は、<詩集部門>が東京都の岡本啓(おかもと・けい)さんの『ノックがあった』、<詩評論書部門>が大阪市の江畑實(えばた・みのる)さんの『創世神話「塚本邦雄」 初期歌集の精神風景』と富山市の高橋修宏(たかはし・のぶひろ)さんの『暗闇の眼玉 鈴木六林男を巡る』の二冊でした。残念ながら、高橋さんはコロナにかかってしまい、授与式への出席はかないませんでした。
最終選考委員(詩集部門 細見和之、四元康祐、犬飼愛生/詩評論書部門 葉山郁生、添田馨、松本衆司)の6氏により、各受賞作についての寸評が述べられました。四元さん(ドイツ)、犬飼さん(愛知)、添田さん(埼玉)の3氏はオンラインで。
また、小野賞の発足からずっと共催していただいている朝日新聞社の藤橋一也・文化部大阪担当部長からも挨拶をいただきました。
授与式の取材に駆けつけられた朝日新聞と読売新聞の求めに応じて、文校の“校旗”をバックにして記念撮影もおこなわれました。
◆今年の第27回小野賞[大阪文学協会主催/朝日新聞社共催/桃谷容子基金後援]には、全国各地から詩集144冊、詩評論書5冊の応募がありました。第21回から詩集部門と詩評論書部門に分けて選考し、各々に正賞(賞金各30万円)を設けています。
詩部門の予備選考委員は、近藤久也、高田文月、中塚鞠子、平居謙、細見和之、松本衆司の6氏で、2次にわたる選考会を行いました。また詩評論書の予備選考は、細見和之、松本衆司の2氏が務めました。
予備選考で最終候補に選ばれた詩集12冊、詩評論書2冊の中から、小野賞を決定する最終選考会は9月12日、大阪文学学校においてオンラインも交えておこなわれました。
1作受賞の詩集部門は賞金30万円でしたが、詩評論書部門は2作受賞だったため各々15万円ずつの賞金になりました。
◎小野賞を主催しているのは、大阪文学学校の運営母体である一般社団法人・大阪文学協会(代表理事;葉山郁生)。小野十三郎さんは、大阪文学学校創立の1954年から91年まで校長を務め、96年10月に93歳で亡くなるまで名誉校長でした。
(小原)

