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全国文芸誌『季刊文科』90号(22年冬季号)の“同人雑誌季評”において、『樹林』22年5月号(本誌)から島田菜穂子さん<文校修了生>、6月号(在校生作品特集号)から筒井透子さん<夜間部生>、7月号(通教部作品集)から衣奈響子さん<通教部生>、それぞれの小説が取り上げられる。その他、各々の所属する同人誌で発表した小説が取り上げられているのは、中野雅丈さん<文校修了生>と福岡路子さん<夜間部生>。

◎『季刊文科』〝同人雑誌季評〟欄の評者は、谷村順一さん。

◎筒井透子さんは夜間部・大西クラス、衣奈響子さんは通教部・飯田クラス、福岡路子さんは夜間部・青木クラスに在籍中。

◆『季刊文科』は、通販のアマゾンで買い求められます。

(小原)

【速報】方政雄さん(昼・津木林C)、第39回「さきがけ文学賞」受賞! 賞金50万円!

大阪文学学校昼間部・津木林クラスの方政雄(高琢基)さんが、2022年度・第39回「さきがけ文学賞」に入選しました。
11月14日(月)、その授賞式の記事と動画が「さきがけ」電子版に載っています。
https://www.sakigake.jp/news/article/20221114AK0006/

次は、第39回「さきがけ文学賞」の内容のサイトです。
https://www.sakigake.jp/special/2022/bungaku/article_01.jsp

方さんからは、次のようなメールが届いています。
「作品は、文学学校の“合評”でチューターのアドバイスをはじめ級友の皆さんから頂いた厳しくも温かい助言のおかげだと思っています。本当に感謝です。引き続き精進できればと念じています。」

(小原)

新刊紹介★井垣厚子さん(文校修了生)『孫に伝えたい私の50年お節』(1,300円+税)/アマゾンで買えます。


《表紙カバー》


《奥付・著者プロフィール》

豊中市の井垣厚子さんは、2020年4月から1年間、大阪文学学校夜間部・本科小説・西村郁子クラスに在籍されていました。管理栄養士であるとともに、家族で立ち上げた写真館(フォト・C・スタジオ)のマネージャーとしても立ち働いています。

ソフトカバーのムック本『孫に伝えたい私の50年お節』(総80頁)では、井垣さん自身が50年間にわたって作り続けたお節料理を、その調理法などをまじえて全面的に紹介しています。
「昔からのお節」「基礎のお節」「お手軽お節」「手間かかるお節」「豪華お節」「子どもお節」――全部で43種類にのぼります。
本の中では、鮮やかでこまやかなカラー写真がふんだんに使われていますが、お節をつくりながら自分でカメラに収めたのだそうです。
本の巻末に、400字詰め30枚に及ぶ“ちょっと長いあとがき”があります。自身の生い立ちにはじまり、大学時代のこと、病院勤めのこと、胃全摘手術を受けたこと、短大や大学で栄養学・調理学を教えていたときのこと、55歳になって夫が写真館を立ち上げたこと、子ども3人のこと、そして写真館のお客さんと日頃どう接しているか、などがつづられています。

井垣さんが73歳のとき、文学学校に入ったのは、写真館をおとずれるお客さんのさまざまな思いや物語を文章にして残したい、ということからでした。
先日、この本を寄贈するために、久しぶりに文学学校にみえられたのですが、「こんな長い“あとがき”を書けたのは、文校のおかげです」とのことでした。

(小原)

今夜(月)の公開・文章講座〔担当;津木林洋チューター〕に、16名出席(うち一般1名)。作品提出17名中、15名出席。

作者が読み上げる各作品に、津木林チューターは詳しく鋭く批評をくわえていきました。また、会場からたびたび出る質問にも懇切に答えていました。
午後6時30分スタートで、終了したのは9時20分。

●次の津木林チューターの公開・(夜)文章講座は、通教部スクーリングの翌日・12月12日(月)午後6時30分からです。
その講座に向けた課題作品の締切は12月3日(土)です。文校事務局まで。

◆公開・(昼)詩の連続講座〔担当;高田文月チューター〕は、12月3日(土)午後3時からです。課題作品の締切は11月26日(土)で、文校事務局まで。

(小原)

新入生53名(夜15、昼17、通教21)の皆さんへの「ハガキ一枚」課題、早くも9名から届いています。◆作品発表・第1弾【夜間部・百武ひらりさん/昼間部・ゆうゆうさん】

今秋の新入生53名の皆さんに、案内チラシ(11月9日文校ブログ参照)と所定の〈課題ハガキ〉を、先週から手渡しないし郵送してあります。
ハガキのかわりに、メールで送っていただいてもかまいません。むしろ、その方が助かります。締切は11月26日(土)必着とします。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
        *      *
今日までに9名の方から届いているのですが、その中から、百武ひらりさん(夜間部/54歳)、ゆうゆうさん(昼間部/60歳)お二人の作品を紹介します。   (小原)

        ☆       ☆ 
 文学学校入学にあたって「文学学校入学開講式に出席して」
       百武ひらり(夜・小説・西村クラス 広島市) 

 部屋に入ると中央にテーブルがあり、周りにぱらぱらとパイプ椅子が並んでいた。私ははじめ、一番後ろの席に座ったのだが、なんだか最初から腰が引けている感じがして、思い切って、まだ誰も座っていない前から三番目くらいの席に座りなおした。開会を待っていると「あ、電車にかばん忘れてきてしもた!」と声に出しながら、慌てて部屋を出ていこうとする人がいた。黙って見ていると、独り言のように「あ、ここにあった」と照れ臭そうに頭をかいて、その人は、また席に座った。
 入学開講式が始まった。歓迎のあいさつに続いて、朝井まかてさんの「新入生のみなさんへの言葉」があった。朝井さんが文校入学に至った経緯をお話されているのを聞いて、突然、胸が突き上げられ、涙が目の裏側に沸いてきた。つい二週間前まで小説を書くなど思いもしなかった癖に、すっかりその気になっている自分に驚く。
 朝井さんは、大きな犬と出会う不思議なお話をしてくださった。チューターの先生方も次々とお話をしてくださったのだが、皆さんのお話は、私が今まで聞いたこうした会の挨拶とはまるで違っていた。それらは、一つ一つの小さな物語だった。私は、そのことに心底感動し、文学学校だものと妙に納得した。
 開講式の前にぶらついた谷六も魅力的だった。今度入ってみようと思う店が何軒もあった。小説が書けなくても、この街にまた来られるならまあいいかと、ニヤニヤしながら帰途についた。
 
        ☆       ☆ 
 文学学校入学にあたって「純愛小説が書きたい」
       ゆうゆう(昼・小説・大西クラス 滋賀県大津市) 

 恋愛小説を書きたかったのです。
 なのに、文校のある先生から、「あなたの書くものは欲望小説だ」といわれました。そう、私の書いていたのは、男からの一方通行の愛だったのです。この歳にもなって、そんなことにも気づけなかったなんてダメなジジイですね。
 でも、書きたいものは、書きたいんです。私の欲望がたっぷりつまった小説を。ジジイの恋愛小説。いや、「純愛小説」が書きたい。
 また、ある人からは、年寄りが若い頃の恋愛を思い出して書いても、ちっとも面白くないといわれました。そのとおり。だから、現時点での等身大の登場人物に純愛をさせたいんです。成功するかどうかは二の次、とにかく書き切ってみたい。この歳になって、純愛しちゃいけないなんて法はどこにもないでしょう。でも、現実には叶えられていないから、そのうっぷんを小説で晴らしたいのです。
 純愛でも、日活ロマンポルノのような世界を描きたいのです。愛の他には何もいらないという世界を書きたい。そして「ただ、あなたの優しさが怖かった」と登場人物に言わせてみたい。
 そんな小説が書きたくて、この学校に入りました。
 ああ、純愛を書くより、純愛がしたい。