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【寄稿/月川奈緒<文校夜間部生>】《第2回・薔薇とシターと詩のひとときへ》――白井朝香さんのシタ-演奏/文校夜間部・松本衆司チューターらによる詩朗読

※【ラビアンローズ – Instagram】より※
5月25日雨上がりの日曜日、『薔薇とシターと詩のひとときへ』が開催されました。 二回目となるシターと詩の朗読の共演に、今回はLa vie en roseやThe roseなどソプラノの響きが加わりました。 薔薇の薫りに満ちた空間で、ワインやローズティーを片手に洒落たお料理を楽しみながら、シターの音色や詩の言葉、美しい歌声など非日常を味わう時間となりました。 今回は年初に亡くなった詩人の、薔薇にちなんだ詩が朗読され、会場に静かな共感の輪が広がりました。 参加者の皆さま、出演者やスタッフの皆さま、今回も温かく素晴らしいひとときをご一緒させていただき、ありがとうございました。
・・・・・・・・・・・・・・
※【文校事務局へのメール<抜粋>】より※
5月25日にラビアンローズでの朗読会が無事開催されました。
今回は畑章夫さんの追悼を兼ねて行いましたが、文校関係者だけでなく一般の方々にも、詩の朗読を通じて彼の思い、また彼を取り巻く仲間の思いに共感していただけたことが凄くよかったと感じています。
なお、畑さんの詩の朗読を担当されたのは松本チューターと西野赤さんです。

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2025年5月12日・大阪文学学校ブログ参照

☆新刊紹介★琴森戀さん(文校通教部生/沖縄県在住)第一詩集『相思樹挽歌』(榕樹書林/2,000円+税)


≪『相思樹挽歌』の表紙カバー/琴森さんの手になる≫


≪あとがき≫


≪奥付≫

沖縄県在住の琴森戀(こともり・れん)さんは、2022年10月から24年9月まで大阪文学学校・通教部に在籍し今春、通教部/詩・エッセイ/平居クラスに再入学されています。

琴森さんの詩集『相思樹挽歌』には41編の作品が収められています。そのうち6編は、文校で発行している6冊の『樹林』通教部作品集に載っていたものです。

(小原)

★来週(10日~14)の昼・夜間部は、合同クラスで『樹林』在特(5月)号・合評会週間★7日(土)は特別講座[ゲスト;小林龍之(文芸編集者)]★8日(日)は学生委員会主催の『樹林』在特(5月)号の合評会★6/22通教部スクーリング・出欠ハガキを急いで!

6月10日(火)から14日(土)にかけて昼・夜間部では、合同クラスで『樹林』5月(在校生作品特集)号に載っている学生作品の合評会が行われます。『樹林』6月(夏季)号に載っている作品を取り上げるクラスもあります。
上の一覧表のように、ほとんどが合同で行いますが、単独クラスで行うところもあります。また、Zoomを使うところもあります。
作品が取り上げられる作者は、できるだけ教室で参加してください。

●【6月7日(土)16時~18時】半年に一度、東京などから著名な作家・詩人・文学関係者をお招きして、大阪文学学校で催す一般公開の特別講座。今回は、東京から文芸編集者の小林龍之さんをお招きして、【エンタメ小説の現場から】と題した講演をしていただきます。
当日は、文校出身の朝井まかてさん、木下昌輝さんも駆けつけていただけることになりました。講座終了後、近くの居酒屋で懇親会も予定しています。
在校生の参加費は教室・Zoomとも無料ですが、できるだけ事前の申し込みをお願いします。
5月21日・文校ブログに詳細が載っています。

◆6月8日(日)12時からの、学生委員会主催の『樹林』5月(在特)号の合評会には、掲載作者、選考委員はむろんのこと、在校生や新入生も気軽に参加してほしいとのことです。メインは文校教室でやりますが、Zoom参加もできるとのことです。

◆6/22(日)通教部スクーリングの「出欠ハガキ」が続々届いています。今回からQRコードからも連絡できるようになっています。明後日・5日(木)が一応の締切ですが、まだ出されていない方は至急お願いします。クラス編成の都合があります。
スクーリングを欠席される方からは、来週中頃に届けられる『樹林』7月号(通教部作品集)掲載作への感想を募ります。

(小原)

≪新入生「ハガキ1枚」課題の提出状況≫・・昼間部27名中22名、夜間部16名中7名、通教部25名中21名●最終締切は6/7(土)。メールでOK◆作品発表・第5弾【昼・宮口歩奈<21歳>/通教・蜜柑<27歳>/夜・梅澤昌子<60歳>】

今春の新入生68名のみなさんに、提出をもとめていた〈課題ハガキ〉は今日現在、50名の提出にとどまっています。特に、夜間部が16名中7名だけと振るいません。できるだけ新入生全員に書いていただきたく、締切日を1週間延ばし6月7日(土)としましたので、まだの方【できればメールで】お願いします。

提出作品は全て、お盆前に発行する予定の「文校ニュース」春期第3号に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。≪6/22通教部スクーリングのとき先行して、通教生の分だけプリント配布します。≫
課題のタイトル6つについては、5/2文校ブログを参照してください。

既着分の中から、とりわけ印象的な作品を紹介する《第5弾》として、宮口歩奈<あゆな>さん(昼間部/21歳)、蜜柑<みかん>さん(通教部/27歳)、梅澤昌子さん(夜間部/60歳)3名の作品を取り上げます。

すでに文校ブログに載せた《第1弾》は通教・清野圭一さんと昼・東加奈子さんの作品(5/2文校ブログ)、《第2弾》は昼・信永真知子さんと通教・荒川光司の作品(5/10文校ブログ)、《第3弾》は昼・南田由芽さんと通教・松﨑貴子さんの作品(5/17文校ブログ)、《第4弾》は通教・栗城陽子さんと昼・渡邉久記さん、昼・命音さんの作品(5/28文校ブログ)でした。   【小原】

        ☆       ☆ 

  私の歩んできた道
    宮口歩奈(昼・小説・佐伯クラス/大阪市)

 着実に一歩一歩人生を歩んでほしいという思いがこめられた私の名前。そんな親のはからいとは裏腹にこれまでの私の人生はずっと宙ぶらりんの足で空回りしているように思う。一番ほこりのかぶった記憶は幼稚園の年中。私の頬には生まれつき血管腫があり赤く腫れている。異質なものに反応するのは人間の性であり、周りは悪気もなく単純な疑問から「その頬どうしたの?」と聞いてきた。でもそれが私は嫌で嫌で仕方なかった。「まるでお前は普通じゃない」と言われている気分だったから。登園時、園の入り口で何度泣いたことか。必死にしがみついていた母の服はいつも涙と鼻水でびしょびしょだった。ごめん。お母さん。そんな私を「なんだコイツ」という目で見つめる園児たち。私からすればなぜ彼らが平然と幼稚園に吸いこまれていくのか分からなかった。登園して最初に外靴から上ばきに履きかえるのだが、外靴を脱いで乗るすのこが私には地獄行きのいかだに見えたのだ。そのくせ、卒園式では担任の先生を前にして「お別れが嫌だ」と泣き喚くものだから手に負えない。その後の学生生活でも自分が社会の異分子であることは幾度となく感じてきたが、精神疾患にかかってからはそれがより顕著になった。一番悲しいことは逆立ちしたって他者と理解し合えないと分かってしまったことだ。ずっと無理解を甘受しなければならないと悟ったことだ。ただ、これまでつけてきたはずの足跡が実は幻想だとしても自分なりの歩みを諦めたくない。止めるわけにはいかないのだ。進め、進め。

        ☆       ☆

  私のふるさと
   蜜柑(通・小説・須藤クラス/沖縄県) 

 ふるさと、というと、遠く離れた土地を指すように思える。そう考えると、私にはふるさとがないような気がする。
 私は、沖縄という場所に生まれた。沖縄は、どこに行くにも飛行機の距離だ。昔から、私はこの場所を出たかった。出たくて出たくて、仕方がなかった。私は周囲に馴染めるような人間ではなかったし、この島は何もないと思っていたから。だから、ここではない何処かに行けば、馴染める場所が見つかるかもしれないと思っていたし、幸せになれると思っていた。
 しかし、生まれて三十年近くが経とうとしている今でも、私はこの島を出ていない。出ていこうと思えば出ていけるのだろう。しかし、私にとって、島の外は「手の届かない場所」なのだ。
 他の県では、二時間も運転をすればすぐ「県外」、ということも珍しくはないだろう。しかし沖縄は、二時間運転をしても、行き着く場所は「県内」である。生まれた場所も、思い出の場所も、ちょっと足を延ばせばすぐに着いてしまう。そんな土地から出ない私にとって、手の届く距離に人生のすべてがあるこの場所は、「ふるさと」と呼ぶには、哀愁が足りない気がする。
 いつか、私がこの島から出ていくか、それとも、何かがあって、この土地が変わり果ててしまった時、初めて「ふるさと」と呼べる場所ができるのかもしれない(後者ではないことを切実に祈る)。

        ☆       ☆

  最近強く思うこと
    梅澤昌子(夜・小説・西井クラス/大阪市) 

「おかんはもう〝関西のオバチャン〟なんやから、出かける時は飴ちゃんくらい持っとかんと」と、高校生だった息子にのど飴の袋を差し出されてから十年あまり。
 わたしの中のオバチャン度は順調に加速している。自分をよく見せたいという思いがどんどん減っている。恥ずかしいと感じることが少なくなり、「しゃあないわ」「どうでもええわ」で済ませることが増えた。小説なんて書いたことがないのに、大阪文学校への参加をほぼ直感で決めたのも、「まあ書けなくても、しゃあないわ」というオバチャン的な諦念があったからにほかならない。
 いざ、小説のクラスに入ってみると、これが実に楽しい。毎回の合評は刺激的で学ぶことばかり。作品のストーリーを考えるのもワクワクする。締切には遅れたものの、短い小説がなんとか完成した。深く読み込んでくれるクラスメートとチューターの講評を聞いた晩は、感激してなかなか寝つけなかった。
 いやはや、関西のオバチャンになって、本当によかった。妙な自意識の鎧が抜け落ちて、とても楽になった。才能があるかないかなんて、どうでもいい。わたしってつまんないヤツやなーという気づきすら、新発見として面白がれる。書いていたらそのうち壁にもぶつかるだろうが、それでもなんとかなるだろうという気がする。
 できなくなったこともあるけど、できるようになったこともある。それは結構楽しくて、幸せなことだと、最近強く思う。

第1回・夜/詩入門講座[担当:冨上芳秀チューター]に、春の新入生をふくめ在校生7名、修了生1名が出席。そのうち提出のあった4名の詩作品を合評◆2~3行の短詩を書き合い互選会をおこなう。

冨上芳秀・通教部チューターが担当する公開・夜/詩入門講座(春期1回目)は、今夜6時35分から9時5分まで、8名の出席でおこなわれました【写真】。
まず冨上チューターから、安西冬衛の短詩の魅力について講義がありました。
その後、詩作品を提出していた4名の作者が順番に朗読し、それぞれに冨上チューターや参加者の2、3人が批評をおこないました。
さらに、参加者全員が2~3行の短い詩をその場でつくって評価し合いました。提出にあたって作者名を伏せた俳句の互選句会に倣ったやりかたです。
大いに盛り上がり、有志で飲み会に出かけました。

◎次回の夜/詩入門講座は、7月7日(月)午後6時30分からです。
課題作の締切は、6月28日(土)です。
小説クラスの皆さんもぜひ参加を! 勉強になります。

(小原)