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★新刊紹介★山田兼士さんの遺稿集『谷川俊太郎全《詩集》を読む』(思潮社/2200円+税)

昨年12月に逝去されるまで大阪文学学校のチューターだった山田兼士さんの遺稿集『谷川俊太郎全《詩集》を読む』が刊行され、ご遺族から文校へ寄贈していただきました。
谷川俊太郎さんが大阪文学学校で話や朗読をされたことが2度ほどありますが、その機会は山田さん尽力によるものでした。

長男・聖士さんは、遺稿集に収めてある「あとがきに代えて」を、次のように結んでいます。
―――「谷川氏は父がもっとも敬愛した詩人の一人であり、その作品論を語ることはライフワークの一つだったから、晩年にこの網羅的な評論を書き終えて、父にとっては成し遂げたという思いがあったことだろう。何かと使命感に囚われたような人でもあったが、間違いなく父の魂は詩に救われていたし、詩がこれからも誰かの救いになってゆくことを願う。」

遺稿集に添えられていた夫人からの「あいさつ文」も次に紹介します。
―――「昨年十二月六日に夫・山田兼士が死去しましてから一年が過ぎました。ようやくとも早くもとも言いうる時間の不思議を感じております。
山田はライフワークとしての二著、シャルル・ボードレール『小散文詩 パリの憂愁』訳・解説山田兼士(思潮社)を二〇一八年に、『福永武彦の詩学』(水声社)を二〇一九年に、すでに上梓できていたのは幸いだったと、何度も口にしていましたが、もう一つ、大事なライフワークがありました。それが『谷川俊太郎全《詩集》を読む』という書物です。昨年の闘病中の六月初旬に、谷川俊太郎詩集『虚空へ』(二〇二一年刊)についての、掉尾にあたる原稿を書き終え、少し思いきるような感じで一冊にまとめる態勢に入っていったようです。書物をつくることに大きな喜びをもっていた山田にとても相応しいのではないかとひそかに考えております。
お目通しいただければ、幸いに存じます。」
二〇二三年十二月十六日
山田(山下)泉

(小原)