【【速報】】夏木志朋さん<大阪文学学校修了生>直木賞候補に初ノミネート。中・短編集『Nの逸脱』<ポプラ社>で。★今日の昼間、夏木さんから文校事務局へ“報告とお礼”のメール、電話をいただきました。
上の記事は、今朝(6/12)の毎日新聞・社会面からです。
他の全国紙の社会面やテレビ、ネットのニュースでも一斉に報じられました。
▲日本文学振興会から、第173回芥川龍之介賞・直木三十五賞(2025年上半期)の候補作が発表されました。受賞作を決める選考会は7月16日(水)、東京・築地の「新喜楽」でおこなわれるとのことです。
直木賞の選考委員は次の9氏(五十音順)です。――浅田次郎、角田光代、京極夏彦、桐野夏生、辻村深月、林真理子、三浦しをん、宮部みゆき、米澤穂信
▲夏木志朋(なつき・しほ)さんは1989年大阪府生まれで、2016年4月から17年3月まで1年間、大阪文学学校昼間部・森口透クラス(土)に在籍していました。そして19年12月、応募総数611作の中から第9回ポプラ社小説新人賞(賞金200万円)を受賞しました。その500枚の受賞作は、応募時の「Bとの邂逅」から『ニキ』に改題し、20年9月にポプラ社から刊行されました。その後、22年9月、文庫化に際して更に『二木先生』と改題し、デビュー作としては異例の累計16万部超えの大ヒットとなっています。
そして4年数カ月ぶりに新作として刊行された中・短編集『Nの逸脱』<ポプラ社/税込1,760円>が、直木賞候補作6冊の中に選ばれました。
◎2025年5月13日・大阪文学学校ブログ参照
◎2020年9月16日・大阪文学学校ブログ参照
▲今日の午後1時30分ごろ、こちらから“お祝いと激励”の電話をする前に、夏木さんのほうから文校事務局へメールと電話がありました。
メールの一部を紹介します。
―――≪・・・・・・今回の直木賞の候補になりました。選考会は7月16日で、結果はまだ先ですが、お礼をお伝えしたく、ご連絡いたしました。御校で学ばせていただき、ありがとうございます。
・・・・・・今回のノミネートは、これからも頑張りなさいという激励だと捉えて、今後も精進しますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。・・・・・・≫
その時刻には、ぼく(小原)は出局していなくて、3時30分ごろ折り返しの電話をし、20分ほど話しました。上のメールからも窺えますが、夏木さんの思いやりのある人柄があらわれているエピソードを聞くことができました。――数年前、夏木さんの『ニキ』を読んで深く感銘した群馬県の若い女性が、夏木さんが大阪文学学校で学んでいたことを知り、文校の通教部へ入学したきたことがあったのです。その女性の要望を受けて、長文のファンレターを夏木さんに取り次ぎました。しばらく経って、夏木さんから長い返事を託され、群馬県に郵送したことがありました。そのファンレターを、夏木さんは大事にして今も手元に残しているそうです。
『Nの逸脱』に収められている3編の≪あらすじ≫を、【時事ドットコムニュース】から引用します。
「場違いな客」
爬虫類のペットショップでアルバイトをする金本篤は、売れ残ったフトアゴヒゲトカゲが処分されそうになるのを見て、店長に譲ってくれと頼む。だが、提示された金額はあまりに高額で手が出ない。「ある男」を強請って金を得ようと一計を案じるのだが、自ら仕掛けた罠が思いがけぬ結末を呼び込んでしまう……。
「スタンドプレイ」
生徒たちにいたぶられ精神的に追い詰められていた高校数学教師・西智子は、深夜の満員電車で非常識な若い女と遭遇する。冷静になろうとするが高ぶる感情が抑えきれず、駅で降りた見知らぬ若い女を追尾し始めて……。
「占い師B」
占い師・坂東イリスのもとに、弟子にして欲しいという若い女性がやってくる。一見、優秀そうにも見える彼女は、やることなすことズレていて、失敗ばかり。クビにしようとしてもしつこく食い下がり、ぜひ自分を占い師にしてくれと訴えるのだが……。
(小原)