新入生「ハガキ1枚」課題、54名中23名から届いています。締切を1週間だけ延ばします【12/1まで】。未提出の方、急いでください◆作品発表・第2弾【昼・こばたなおこ<43歳>/通教・F・M<43歳>/通教・中嶋恭子<70歳>】
今秋の新入生54名のみなさんに、提出をもとめていた〈課題ハガキ〉は、11月24日(月)を締切日にしていました。今日現在、まだ23名の提出にとどまっています。
できるだけ、新入生全員に書いていただきたいですので、1週間だけ延ばして最終締切を12月1日(月)とします。まだの方、【できればメールで】お願いします。
提出作品は全て、12月末に発行する予定の「文校ニュース」秋期第3号に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。≪12/14通教部スクーリングのとき先行して、通教生の分だけプリント配布します。≫
課題のタイトル6つについては、11/15文校ブログを参照してください。
既着分の中から、とりわけ印象的な作品を紹介する《第2弾》として、こばたなおこさん(昼間部/43歳)、F・Mさん(通教部/43歳)、中嶋恭子さん(通教部/70歳)の3名の作品を取り上げます。
《第1弾》として11/15文校ブログに載せたのは、まーぼーさん(昼間部/大阪市)、清畠美のりさん(昼間部/札幌市)、松浦幸恵さん(通教部/神奈川県)の作品でした。 【小原】
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私の歩んできた道
こばた なおこ(昼・小説・大西C/教室出席・Zoom視聴を併用/岡山市)
「そっちの道にいくんだね、いいと思うよ」
大阪文学学校に入学することを報告した私に親友はそう言った。彼女はまるで私の歩むべき道を知っていたみたいな口調だった。
私の歩む道が文学に続いていたなんて、自分では知らなかった。確かに、小学校から大学生まで図書委員しかしたことがない。でも、作文は苦手だったし、初めて書いた読書感想文は先生に代筆を疑われる始末。文章で表彰される同級生たちをどこか遠い国の話みたいに眺めていたのが私だった。子供の頃、あんなに好きだった読書も大きくなるにつれて、だんだんしなくなってしまっていた。
私の歩んできた道は、寄り道だらけ。OLになって散財してみたり、インドで死にかけたり。でも、ずっと心のどこかで、歴史の上で忘れ去られていく女性たちを大勢の人に届けたいと思っていたのかもしれない。
調べたことを論文のように整然とまとめてみても、素人劇団のシナリオを書いて演じてみても、まだ足りない。
もっとリアルに生き生きと、彼女たちの歩んだ道を知りたい。
時折やってくる、史実の点と点の間の空白を結ぶ線のような想像を、私はなかったことにはしたくない。小説ならそんな想像もありかもしれないと、私の足は恐る恐る文学の道へと踏み出した。
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文学学校入学にあたって
F・M(通・詩エ・平居C/徳島市)
詩を書き始めてから、四半世紀が過ぎました。恋愛で言うなら、ずいぶん長い片思いです。生活基盤を確立させるため、学業と就職活動に専念し数年間距離を置いたこともありました。
その間もレポートや論文、仕事で文章を書いてきました。けれど、詩の言葉で表現する「ときめき」を忘れることができませんでした。「もう少し遊ぼう」と言うので、離れがたくなってしまったのです。
一昨年詩集を刊行し、これまでの活動をまとめることができました。それでもなお、詩は憧れのまま遠くにあります。書いても書いても分からないまま。その奥深さに惹かれ続けています。
だからこそ、さらに学びたいと思いました。書く・読む・聴く・対話の学校。大阪文学学校のコンセプトは大変魅力的です。同じように書くことが好きな方々との関わりの中で、新しい表現が生まれるのではないか。そのような期待を抱いています。
追いかけるのではなく、詩の方から手を繋いでくれるような一編を目指して。皆さんとともに、楽しく学び精進します。
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文学学校入学にあたって
中嶋 恭子(通・小説・塚田C/再入学/岡山県倉敷市)
「一年間だけ、一年間だけ私のわがままを許してもらおう」
と心に決め、2023年度に一年間だけ大阪文学学校で学びました。その時の楽しさ苦しさ喜びが忘れられず、
「えーい、残り少ない人生ダ。誰に何を言われようと知ったことか!」
私は再入学を決めました。残念ながら入学式には出席できず、10月27日・夜の津木林チューターの小説(エッセイ)入門講座が初日となりました。
「やっぱし、文校は良(よ)かねぇ」
文校の雰囲気というか、空気感が好きです。繭に包まれたカイコのように、タレに二度づけされたみたらし団子のように、ガッチリとまったりと私は文校の空気にくるまれます。
帰りの新幹線の中、文校の熱気に当てられたように本を読みふけり、
「お客サン、お客サン。終点の岡山ですよ」
と、車内係の人に声を掛けられてしまいました。
びっくりしてまわりを見回したら、乗客は誰もおらず……荷物をひっつかみ、あわてふためいて下車しようとする私に、
「あぁ〜、スマホ忘れてない? 大丈夫? スマホ」
余程、スマホの忘れものが多いのか何度も「スマホ、スマホ」と言われました。
「耳は遠いが、聞こえてますッ」
それにしても、岡山止まりの「ひかり」にして良かった。「さくら」に乗っていたら鹿児島中央駅まで行くところでした。
この「文学への没入」を与えてくれるのが文校の空気なのだと、夜の新幹線ホームを歩きながら、私は思ったのです。
