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新入生「ハガキ1枚」課題、26名から届いています。未提出の方、急いでください【できればメールで】。★作品発表【昼間部・井村由布子さん】

今秋の新入生46名のみなさんに、提出をもとめていた〈課題ハガキ〉は明日・28日が締切です。今現在(27日17時)、昼間部16名中7名、夜間部13名中5名、通教部17名中13名から提出があります。
できるだけ、新入生全員に書いていただきたいですので、締切を12月5日(土)まで延ばします。できれば、メールでお願いします。
提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
11月5日文校ブログ参照。

次に、既着分の中から、井村由布子さん(昼・小説・大西クラス/大阪府豊中市)の「私だけのもの」を紹介します。    (小原)

        ☆       ☆ 

午前四時。小学一年生の娘が隣で眠る布団から抜け出しリビングの扉を開ける。傷だらけのダイニングテーブルに片手をつき、頭上の灯りを点ける。
壁掛け時計の秒針が進む微かな音だけが部屋を満たしている。夫の目覚まし時計が鳴り出す午前五時半までの、夜と朝が出番を押し付け合うように肩を並べる一時間半を、私は毎日ひとりで過ごす。
パソコンの画面に向かいことばを紡ぐこともあれば、Netflixで映画を観ることもある。本を開くこともあれば、目を閉じて頭を空っぽにすることもある。
過ごし方に決まりはない。私にとって、久しぶりに手にした自由帳のような時間だ。
朝五時半から娘と共に眠りにつく夜十時まで、仕事と家事と育児のノートに記録をつけ続けている気がする。たとえひとりの時間帯があったとしても、一日の終わりまでノートを閉じることができない。
新型コロナウイルス感染症の拡大により家族の在宅時間が増えると、ひとりだけの時間を確保することはますます難しくなっていった。
私は家族を愛している。だが、それと同じくらいひとりの時間を欲していた。答えを書き込まなくてもいい、誰にも見せなくていい、自分だけの自由帳が必要だった。
娘を寝かしつけながら寝落ちしてしまう夜が続いたある夏の日、ふいに目が覚めた。枕元のスマホで時間を確認する。午前四時ちょうど。
私だけの自由帳を手に入れた瞬間だった。
                   

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