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今日だけで、新入生「ハガキ1枚」課題、8名から届く。★作品発表・第2弾!【昼間部・藤野正美さん】

今秋の新入生46名のみなさんに、提出をもとめていた〈課題ハガキ〉は今日、8名からメールで届き、提出者は合計で34名になりました。内訳は、昼間部11名(16名中)、夜間部7名(13名中)、通教部16名(17名中)。
締切を12月5日(土)まで延ばしています。まだの方、できれば、メールでお願いします。
提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。

次に、今日届いた分の中から、藤野正美さん(昼・小説・夏当クラス/兵庫県西宮市)の「文学学校入学にあたって」を紹介します。昨日、当ブログで紹介した井村 由布子さん(昼・大西クラス)につづく第2弾です。   (小原)

        ☆       ☆ 

山手のカフェまで足を延ばして、オープンテラスに席を取った。
秋風に揺れる木々を見ながらランチ。平日だから、はた目からは有閑マダムに見えるかもしれない。
私はマダムどころか、春にがん宣告を受け、仕事を辞めて治療中。
これまで何十年も、船場どぶ池筋の繊維商社で、埃にまみれて働いてきた私には、山手の高めのランチも、木々の緑も、鳥の声も、どこか自分にそぐわないものとしてそこにあった。
「大学の広報誌に載せる文章を頼まれて、今日が締切やねん」
テーブル越しの友達はそう言って、ひたすらスマホのキーを叩いていた。
PTAが生きがいの友達は、子どもが大学生になっても役員をしていた。
「下書き、読んでみて」と言われ、読み終わると同時に、何か、得体のしれない、ドロドロした思いが湧き上がってきた。
書きたい、何でもいいから、私も書きたい! それはずっと昔、封印した思いだった。
そして、脳裏に浮かんだ《大阪文学学校》・・・・・・かつて、行こうとしてあきらめた場所。思い切って行こうか、でも私なんか。行きつ戻りつする思い。
心臓が早鐘のように打ち出した。その鼓動の勢いのまま、入学を申し込んでしまった。
これから何を書くのか自分でもわからないけれど、心の奥にある、外に出たがっている何かをたぐり寄せ、言葉に紡いでいきたい。