文校ブログ

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新入生「ハガキ1枚」課題、47名から届いています。締切を1週間延ばします。未提出の方、急いでください【できればメールで】。◆作品発表・第5弾【通教部・菜摘柑<なつみ・かん>さん/通教部・花村未央さん/昼間部・倉賀大介さん】

今春の新入生73名のみなさんに、提出をもとめていた〈課題ハガキ〉は昨日・3日が締切でした。今日の到着分も入れて現在、昼間部23名中13名、夜間部18名中11名、通教部32名中23名の計47名から提出があります。
できるだけ、新入生全員に書いていただきたいですので、あと1週間延ばして最終締切を6月11日(土)とします。まだの方、できればメールでお願いします。
提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
5月11日文校ブログ参照。

既着分の中から、菜摘柑さん(通教部/59歳)、花村未央さん(通教部/31歳)、倉賀大介さん(昼間部/27歳)3名の作品を紹介します。
文校ブログに載せてきた《第1弾》友定ますみさん(通教部)、《第2弾》林隆司さん(昼間部)・千智さん(夜間部)、《第3弾》永長景虎さん(夜間部)・ニシオアイさん(昼間部)、《第4弾》房野若菜さん(昼間部)・髙岡隆一郎さん(通教部)に引きつづく《第5弾》です。   (小原)

        ☆       ☆ 
私を売り込みます
      菜摘柑<なつみ・かん>(通・エ/ノン・菅野c 鳥取市)

 夢は口にすると叶うという。私にはずいぶん前からひそかに温めていた夢があるが、自分の現状とあまりにもかけ離れている気がしていたし、何より本当にそれがやりたいことなのか、荒唐無稽なことと笑われるのではないかという恐れとで、口にするなんてとんでもないという気持ちで過ごしてきた。一方で、機が熟すという言葉もあり、いつかきっと、という思いで、新聞やSNSで自分の思いに近い生き方をしている人をみては、「こういう感じもいいなあ」「こんな人もいるのか」と情報収集していた。
 そうこうしているうちに癌が発覚。この事についての想いは多々あるが、とりあえず、人生は有限だという事実をつきつけられた。やるべきことは今やらなければ。いつか、なんて来ない。まずは夢を口にしよう。 私の夢は、コミュニティブックカフェを開くこと。「どんな人でも、ただ、そこにいるだけでいい」場所をつくることだ。今、世の中は効率ばかりが重視され、人はどんどん不寛容になっている。結果がでなければ、努力していないと判定される。そんな世界になじめない人たちが、安心してすごせる場所。資金もそんなにないし、ノウハウもない。でも、思いだけはずっと温めてきた。思いを言葉にすることで動き始めることがある。だから、ここに宣言しよう。
「私は、夢に向かって一歩踏み出します」

        ☆       ☆
文学学校入学にあたって  花村未央(通・小説・飯田c 福岡県飯塚市)

 夢が叶う音がした。
「大阪文学学校にご入学されたことを心から歓迎いたします」。事務局の方からのメール文を目にした瞬間、私は確かに自分の夢が叶う音を聞いた。
 子供の頃から文章を書く事が好きで、節目節目にその時感じた事を書き残してきた。毎年の自分の誕生日、季節の変わり目、甥と姪が誕生した時、年号が変わった日など。
 20歳の頃に残した文章に、こんな一文がある。「どうして私は、文校に行けないのだろう」。17歳で父が他界し、高校を中退してアルバイト生活を送る中で残した文章だった。当時はとても貧しく、学校に行く事も、欲しいものを買う事も、何もできなかった。
 大好きな朝ドラ「芋たこなんきん」で田辺聖子さんと大阪文学学校の存在を知り、憧れを抱いていたが、昼食代すら節約する毎日の中でそれは叶わぬ夢だった。
 それでも、強く思っていた。「いつか大阪文学学校に入りたい」。それから十数年が経ち、幸運な事に仕事も安定し、20歳の悲しみの中では想像もできなかったような落ち着いた日々を送れるようになった。
「きっと今だ」そう思った私は、大阪文学学校へ入学希望のメールを送った。偶然にも、同時期に「芋たこなんきん」の再放送が16年ぶりに始まり、不思議なご縁を感じている。
 私の大切な夢がひとつ叶った。次は、より大きな夢を叶えられるよう、幸せな日々の中で努力を続けたいと思う。

        ☆       ☆
文学学校入学にあたって 倉賀大介(昼・小説・大西c 奈良県田原本町)  

 元から小説が書きたいと思っていたわけではなかった。自分が普段から感じていることを表現することで、僕という人間を見てもらいたいという理由で文学学校に入学をした。元々小説を書いたことなんて一度もなく、せいぜい日記を綴る程度のものだった。あるときに「小説書くの向いているんじゃない。」と何気なく言われたことがあり、僕が小説を書けばどんなものが出来上がるのかという好奇心がそこから湧き上がり、作品を見て他人はどう感じるのかが知りたかったというのも入学した理由の一つなのかもしれない。また人一倍読書が好きというわけでも無かったから、毎週合評までに他人の作品を読むのも初めは苦労した。けれどもいつの間にか、読むことにも慣れ、合評でも少しずつマシな意見を言えるようになっている自分がいて、自身の変化を感じている。小説を読むときも、ただ何となく読んでいくのではなく少しでも技術を盗んで自分の作品に活かしていきたいと思うようになっている。自分を知ってもらうためという不純な動機で入学をした僕だけれども、最近はこの学校にも徐々に馴染んできつつあるような気がする。僕が生きている中で感じていることをもっと上手に表現していければと思う。