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☆新刊紹介☆讃紫雲さん(文校修了生)歴史小説『海鳴りと砂塵』(文芸社/1,300円+税)

讃紫雲(さん・しうん)さんは、2018年4月から1年間、大阪文学学校昼間部・佐伯敏光クラスに在籍されていました。。
19年11月に、最初の歴史小説『継体大王異聞(けいたいだいおういぶん)』(幻冬舎MC)を刊行されています。19年12月5日・文校ブログ参照。

◆以下、『海鳴りと砂塵』の巻末にある著者“あとがき”を半分ほど抜粋して紹介します。

【・・・・・・《略》・・・・・・生まれは讃岐香川県高松市で、紫雲山を借景とした名園「栗林公園」のすぐ北で育ちました。そこで小説を書くにあたり、筆名を「讃紫雲」としています。
 一般企業で定年まで勤めあげ、時間の余裕ができた段階で再度好きな歴史を深めてみようと、大阪高齢者大学で毎年歴史のクラス、また他の講座にも通い学習を続けてきました。積み重ねてきた知識をもとに何か作品を残したいと願い、当時、興味深く調べていた「継体天皇」の一生を小説にしたいと思いました。ただ、今まで本など書いたこともなく、小説手法を学ぶために二〇一八年に「大阪文学学校」へ一年間通い、毎週行われる仲間同士の作品批評会などで鍛えられました。そして「古希」を迎えた記念として二〇一九年に『継体大王異聞』を初めて刊行することができました。
 その後も執筆への想いが消えず、それでは故郷の高松を舞台にした物語を書きたいと思い資料を探ってみたところ、「松平左近頼該」という興味ある幕末の人物に出会い、彼の生涯を綴っていくことにしました。
・・・・・・《略》・・・・・・
 そんな私に山田先生から与えられた卒業論文のテーマは、清末に新設された「新疆省」の役人の出身地調査でした。卒論には真剣に取り組み、参考とする資料は『大清搢紳全書』という清国の省別官員名簿。蔵書先を調べ、京都大学や東京大学の図書館へも足を運びました。
 卒論課題を進める中で新疆ウイグルの反乱も調べていき、その過程で「劉錦棠」という武将の存在を知りました。乱平定に功のあった「左宗棠」という軍人政治家は知っていましたが、その幕下で実際の戦闘で活躍したのは劉錦棠でした。
・・・・・・《略》・・・・・・
 山田先生は故人になられて久しくなりますが、先生の期待に応えることができなかった私の忸怩たる想いは続いており、その恩に少しでも報いたいとの思いで、本書を構想するにあたり「松平左近」と「劉錦棠」とのつながりを創作することにしたのです。・・・・・・《略》・・・・・・】
[小原注;山田先生とは、大阪大学文学部史学科の教授で、讃さんの卒論の指導教官だった山田信夫さんのことです]

(小原)