文校ブログ

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★新刊《単行本》紹介★中西智佐乃さん(文校修了生)/新潮新人賞受賞作など2編収録の小説集『狭間の者たちへ』(新潮社/1,800円+税)


≪今朝(7/1)の朝日新聞“読書”面の広告≫

中西智佐乃(なかにし・ちさの)さんは2018年3月まで長い年月、大阪文学学校の昼間部や夜間部に在籍されていました。
中西さんは19年10月、応募総数1972編の中から、小説「尾を喰う蛇」(230枚)で第51回新潮新人賞を受賞されています。その受賞作は、『新潮』19年11月号に掲載されました。
その後、『新潮』21年8月号に「祈りの痕」(180枚)、『新潮』23年2月号に「狭間の者たちへ」(160枚)を発表しています。
この度、新潮社から“7月の新刊”として刊行された単行本『狭間の者たちへ』には、「狭間の者たちへ」と「尾を喰う蛇」の2編が収められています。

新潮社のサイト
【第51回新潮新人賞 受賞者インタビュー 暴力を追いかける/中西智佐乃】
から以下に、大阪文学学校について述べている箇所を抜粋して紹介します――――
≪中西さんの個人的・文学的来歴を教えてください。≫
特に不自由なく、幼稚園から大学まで通わせてもらい、会社に就職することが出来ました。小説は十代の頃から何年かに一回、短いものを書いていましたが、ちょっと思い出しただけで顔から火が出そうなぐらい酷い出来でした。その後社会人になって改めて推理小説を書きましたが、これも相当酷いものでした。それから二年くらい一人で書いていたのですが、朝ドラ「芋たこなんきん」を見た母から大阪文学学校を勧められ、確かに一人でやっていてもよく分からんと、入学しました。雑居ビルにある教室前の廊下が「大丈夫か?」と思うぐらい暗くて不安になりましたが、そこに通ったことで今作が書けました。実践重視の学校で、とにかく書かされる。長いもので一〇〇枚程度を二、三か月に一作、年間で四本を仕上げました。合評ではめちゃくちゃ叩かれますし、時々褒められることもありつつ、でもやっぱりめちゃくちゃ叩かれました。体力的な問題から二年くらいで一旦辞めて、そこから四、五年書きませんでした。プロになるどころか、もう書かないかもしれないとすら思いました。そのくせ仕事が落ち着いて心や身体が元に戻ってきたら、いけしゃあしゃあとまた書きたくなった。自分の決断なんてその程度だよなと思いました。ひとまず趣味として、ぼちぼちやっていこうと、二十代の終わりに大阪文学学校に入りなおしました。
復帰して一作目が、やはり酷評され、「次、みとけよ」という闘志というか、怒りが湧きました。二作目を読んだ先生と生徒さんに新人賞に応募をするよう勧められ、今に至ります。はじめはメフィスト賞はじめエンターテインメントの賞に応募していたのですが、アドバイスを受けて純文学系の賞に応募すると予選を通過して、自分の方向性が分かりました。・・・・・・・・・

◆中西智佐乃さんについては、今までに次の日付の“大阪文学学校ブログ”で取り上げています。
2023年2月3日
2021年7月30日
2021年7月12日
2019年10月7日

◆今日の昼1時過ぎ、中西さんから事務局へ“刊行あいさつ”の電話をちょうだいしました。ちょうどその時間帯、中西さんが最初文校に入ったときの担当チューターだった津木林洋さんはクラスゼミの最中でした。そのことを告げると中西さんは、今から自宅を出て津木林さんにあいさつに文校まで伺いたいとのことでしたが、ゼミはいつ終わるか分からない(早く終わるかも)ので、その件は後日にということになりました。
『狭間の者たちへ』は書店に並んでまだ数日しか経っていませんが、ゼミ終了後、津木林さんに中西さんからの電話のことを伝えたら、すでに買い求めているとのことでした。僕もです・・・・・・。

(小原)