大阪文学学校_紹介映像
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今夜の公開/夜・詩入門講座[担当<新任>;神尾和寿さん]に21名参加。内訳は、在校生12名<うち昼・詩/エ・近藤Cから6名>、休学生3名、修了生5名<岡山市からも>、そして小説C担当チュータ―◆作品提出の14名全員出席

【向こう側の青いセーター姿が神尾和寿(かみお・かずとし)講師】
講座の初めに神尾講師から、簡単な自己紹介がありました。
講座の始まる前に文校事務局のほうで、提出作品14編のコピーをひとまとめにして配布してありました。それに基づいて、各々が自作詩を朗読しました。そのつど神尾講師は、懇切で鋭い批評をくわえていきました。作者に問いかけたり、会場から意見を求めたりしながら。
緊張感がありながら、時おり笑い声が起こる講座でした。
開始は午後6時30分で、休憩なしで終了したのがちょうど9時。
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◎次回の夜/詩入門講座【神尾講座】は、“文学集会”翌日の12月22日(月)午後6時30分からです。
(作品提出+聴講)千円、(聴講のみ)五百円です。
課題作の締切は、12月13日(土)です。
小説クラスの皆さんもぜひ参加を! 勉強になります。
(小原)
【昨日・16日<日>】第19回神戸エルマール文学賞の贈呈式及び祝う会。“本賞”の本多あにもるさん(文校夜間部修了生)、“島京子特別賞”の松良子さん(文校通教部修了生)と真銅孝さん(文校事務局員)が表彰される。
今年度の第19回神戸エルマール文学賞(同賞基金委員会主催)の三賞すべてに、大阪文学学校の修了生2名と真銅・文校事務局員がそれぞれの所属同人誌で発表した小説が選ばれていました。
9月10日・文校ブログで既報。
11月16日(日)午後、JR神戸駅近くの≪HDC神戸≫で、その贈呈式ならびに祝う会がおこなわれました。受賞された三人のうち、本多さんはどうしても都合がつかず、欠席でした。受賞者挨拶は、所属同人誌『第9会議室』の鈴木さんが代読されました。

【写真・左から】
・大阪府の真銅孝・文校事務局員(1994年4月から2年半夜間部に在籍、95年1月からずっと事務局員)
・兵庫県の本多あにもるさん(2021年10月から1年半夜間部に在籍、その後1年間休学)の【代理:本多さんと同じ同人誌メンバーの鈴木太一さん<文校修了生>】
・兵庫県の松良子さん(2015年4月から4年間通教部に在籍)
およそ50名が臨席した贈呈式・祝う会は茶話会をはさみながら、和やかに進行しました。髙嶋理事長の挨拶、浅田副理事長の選考委員講評、神戸市文化スポーツ局の和田課長や神戸新聞社の石﨑文化部長、東京から駆けつけた『文芸思潮』の五十嵐編集長、故・島京子さんの長男・秀穂さんから、祝辞やお祝いの言葉が述べられました。
松さんのお孫さん数人をふくむ大家族、真銅さんの連れ合いのほか、文校からも佐伯敏光・昼間部チューターにくわえ事務局の小原と角田も出席しました。島田勢津子、飯田未和両チューターは主催側として参加され、司会を文校OBの後藤さんと眞鍋さんが務め、またOBの河内さんは会場受付を手伝っていました。

【写真・左から】
真銅さんの属する同人誌『babel』のメンバー<文校OB>、一人置いて受賞者・松さん、『babel』のメンバー<文校OB>、角田・事務局員、受賞者・真銅さん、小原・事務局長、佐伯チューター、島田チューター、飯田チューター、眞鍋さん
★最後の最後に本賞の本多あにもるさんが会場に駆けつけてくださったそうです。
《神戸エルマール文学賞》のアカウントより
https://x.com/ElmarKobe/status/1990353837669196197
(小原)
【秋期新入生の参加が目立つ!】公開の昼・小説(エッセイ)入門講座[担当;馳平啓樹さん]に、新入生13名(うちZoom6名)、一般7名(うちZoom4名)をふくめて44名(うちZoom15名)参加★提出作品19編のうち7編の自作朗読

【柔らか語り口ながら熱も帯びる馳平啓樹(はせひら・ひろき)さん。後方のスクリーンに自作のテキストを写し出す】

【教室には、新入生7名をふくめ29名出席。ほかにZoom視聴が新入生6名を入れて15名】
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正午(12時)開始の大西クラスと津木林クラスのゼミ(作品合評会)が終わったあと、午後3時から6時30分まで、馳平啓樹さん(文校修了生で第113回文學界新人賞受賞)による秋期1回目の昼・小説(エッセイ)入門講座がもたれました。
23年春期に始まった一般公開の馳平講座。在校生も修了生も一般も作品が提出できて、受講料は同一の1000円(聴講のみは500円)。半年全3回のうち1回目には参加1年以上の人は作品を提出できないという制限を設けているにもかかわらず、参加・作品提出は相変わらず多く、新入生の多い半年前(25年春期1回目)と較べても参加で2名、作品提出で1名少ないだけでした。
新入生13名、一般7名以外の参加者の内訳は、新入生をのぞく在校生22名(うちZoom5名)、休学1名、文校修了生1名でした。
なお、教室で受講した在校生の遠来組は、三重県四日市市、同熊野市、岐阜県揖斐郡からでした。Zoom受講のうち、在校生は福岡、岡山②、香川、福井、愛知、静岡、東京、埼玉など、一般は福岡、東京②、大阪でした。
馳平さんの講座では、教室参加にくわえ、Zoom配信をおこなっています。持参してきたパソコンを操作しながら、馳平さんはパワーポイントを使って自作の教材[①自分にしか書けない事を書こう ②今村夏子『こちらあみ子』を読み解く]をスクリーンに写し出しつつ、休憩時間をはさんで2時間40分も講義をされました。途中で挟んだ質問タイムには、会場から意見が相次ぎました。

〔馳平さん自作の教材《自分にしか書けない事を書く》の表紙と3ページ目〕

〔馳平さん自作の《今村夏子『こちらあみ子』を読み解く》の表紙と1ページ目〕
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その後、小説またはエッセイで書いた課題作「自分は他人とズレているかもしれないと不安に思う事を正面から堂々と書く」(1000字)を取り上げました。45分かけて、提出19編の中から馳平さんが選びだした作品7編(うち新入生2編、本科後期生3編、一般2編)のそれぞれの作者が、マイクあるいはZoom越しに自作朗読をおこないました。馳平さんは、それらの作品に対して優れている点を指摘しました。会場から爆笑が起こる作品、大きな拍手が送られる作品もありました。
【作品を朗読した7名――《新入生》小畑さん〈Zoom/昼・大西C/岡山〉・鈴木さん〈Zoom/通・菅野C/インドネシア〉 《本科後期生》東さん〈Zoom/昼・谷C/香川〉・中島さん〈教室/昼・大西C/富田林市〉・近藤さん〈教室/夜・西村C/西宮市〉 《一般》Tさん〈Zoom/八尾市〉・Oさん〈教室/大阪市〉】
なお、馳平さんは提出19編すべてに対し個々に600字前後の寸評・改善点を書かれたA4紙を持参されました。それを、講義の前に各人に作品とともに渡されました。
Zoom参加者には後日、文校事務局から郵送します。
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●11/17(月)午後6時30分からも公開講座があります。作品提出+聴講で1000円いただきます。
夜・詩入門講座で、今期から新しく詩人の神尾和寿(かみお・かずとし)さんが担当されます。11/17<第1回>に向けた詩作品の提出はもう締め切りましたが、14名から届いています。なかには、岡山から泊りがけで講座にやって来る修了生もいます。
課題作品を提出していなくても、講座に参加できます。その場合の受講料は1回につき500円です。
●11/22(土)午後3時からの昼・詩入門講座〔近藤久也さん〕へは、今夜までに10名から作品の提出があります。
(小原)
今秋の新入生54名への「ハガキ一枚」課題、今のところ15名から届いています◆作品発表・第1弾【昼間部・まーぼーさん<大阪市>/昼間部・清畠美のりさん<札幌市>/通教部・松浦幸恵さん<神奈川県>】
10月27日を皮切りに、秋期新入生54名(夜21、昼17、通教16)の皆さんへ、手渡し・郵送・文校ブログを通じて、ハガキ一枚の課題を出しました。
【◎私のふるさと ◎文学学校入学にあたって ◎私を売り込みます ◎私の歩んできた道 ◎私だけのもの ◎最近強く思うこと】という六つのタイトルのうちからひとつを選び、400字~600字ほどで書いて、ハガキかメールで事務局まで届けてください、とお願いしました。
締切は11月24日(月)必着です。提出作品は全て、「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
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今日までにメールやハガキで15名の方から届いているのですが、その中から、まーぼーさん(昼間部/62歳)、清畠美のりさん(きよはた・みのり/昼間部/62歳)、松浦幸恵さん(まつうら・ゆきえ/通教部/69歳)の3名の作品を紹介します。【小原】
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文学学校入学にあたって
まーぼー(昼・小説・大西C/大阪市)
私が文学学校を知ったのは、高校生のときです。文芸部に所属。顧問の先生から田辺聖子さんが芥川賞を受賞されたことを教えていただきました。そのとき本校のことも教えていただきました。当時の私は、新潮文庫の百冊を手掛かりに片っ端から乱読していました。
サンケイホール(現:サンケイホールブリーゼ)に大江健三郎さんの講演会に行ったことがあります。残念ながら四十年以上前のことなので、内容はさっぱり覚えていません。
私が文学に親しんだのは、高校生のときだけでした。もうすぐ六十歳になるであろうと意識したころから、いつかは本校でもう一度文学に浸りたい欲望が心の奥底から確かな炎として燃え始めました。六十二歳を超え、お世話になったコミュニティ紙の編集長からの勧めもあり、意を決して、入学をさせていただいた次第です。
入学後、私も含めて八人の合評会に参加させていただきました。合評会は正に真剣の場、緊張感があります。私の合評作品は、その場にそぐわない、中学生の作文レベルのとても恥ずかしい作品でしたが、他の方々の作品は、どれもこれも力作揃いで、チャンスに恵まれれば、職業作家として生計が立てられる方ばかりだと思いました。そう考えると、合評会が楽しくって仕方ありません。
私にとっては、人生何度目かの青春時代を過ごさせていただいております。お邪魔になっていることは重々承知しておりますが、何卒お許しくださいませ。
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私のふるさと
清畠美のり(昼・小説・佐伯C/クラスゼミにはZoom出席/札幌市)
「斜里(しゃり)の海と流氷の記憶」
物心ついたばかりの子どもの頃、釣り好きの父に連れられ、家にほど近いオホーツク海の浜辺で遊んだ。近所とはいってもスクーターに乗る父の膝の間にしゃがむ恰好で向かったのだから、それなりの距離はあったと思う(スクーターは二輪自動車という意味ではバイクに似ているけれど、違うらしい)。
スクーターが風を切り始めてほどなく、潮の匂いがしてくる。ハマナスが海沿いの車道に咲き連なっている。やがて「着いたよ」という父の声がして、その声を待たずに花の垣の隙間を走り抜けると、砂浜の向こうに深い色をたたえた海が緩やかなカーブを描いていた。裸足を洗う波の下にも同じ白砂が見えるのに気づくと、私は顔を上げて水平線の方を眺めた。海の水はどこから青くなるのだろう? そう思うのだけれど、境界はいつもわからなかった。
冬になり、流氷がやって来ると波音は消えた。冴え返る冬空の下、巨氷の群れは白濁した天然石を思わせる彫琢の跡を思い思いに刻んで静まり返っていた。父の手の温もりを手のひらに感じつつ、立ち止まって耳をすませる。すると肺の底まで沁み通る冷気の中で氷同士の擦れ合う音がかすかに聴こえた。それは、長い時間をかけて北方からたどり着いた彼らの歌のように思えた。
私は斜里の町に生まれ、以来、何度かの冬と夏をその海とともに過ごした。小学生になり、初めての夏休みを終えてまもなく、転勤のあった父の都合で思い出の多いその地を離れた。
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最近強く思うこと
松浦幸恵(通・小説・石村C/再入学のため専科飛び級/神奈川県秦野市)
今でもはっきり覚えている。たぶん中学生くらいだったろう。愛読書だった少女雑誌を読んでいたら、なやみ相談のコーナーにこんな回答があった。
「その人は自分のことしか考えていない。今のあなたには分からないでしょうが、大人になれば分かります」
悩みは友人関係のもので、相手の行動が果たして本人の言うように、本当に自分のことを思っているからなのか分からない、というものだった。
何で半世紀以上前の記事をそんなによく覚えているのか、といえば、その時その回答者の言い分が理解できなかったからである。本当か? そんなに言い切っていいのか? と当時の私は思った。だからだろう、私は大人になるまで、その疑いをずっと頭の隅に置いていたことになる。
さて十数年後、押しも押されもしない大人になった私が出した結論は、「そのとおり」。
何でこんなに明白なことが中学生だった私には分からなかったのだろう。つくづくその時の私が、どれほど無知で、馬鹿だったのか思い知らされた。
こんなどうしようもないエピソードの断片が、記憶の海の中にいくつもある。そしてそれは突然表面にその時は全然分からなかった「理解」とともに浮かんで、ギャーッと叫びたくなる。勿論叫ぶのは、その時の自分の無知、無神経、馬鹿さ加減に対してだ。
年をとるって、心臓に悪い。最近、強く思うことである。
