●新入生全員へ「ハガキ一枚」課題●・・・◆作品発表・第4弾【昼間部・川又敏朗さん/同・奈良鹿乃子さん】★11月25日(月)締切。【できればメールで】
今秋の新入生全員(52名)に提出をもとめている〈課題ハガキ〉の既着分の中から、とりわけ印象的な作品を紹介する《第4弾》として、昼間部生2人の作品を取り上げます。今日までに、23名から届いています。
すでに文校ブログに載せた《第1弾》は通教部・北郷遥斗さんの作品(11/11文校ブログ)、《第2弾》は昼間部・久野庭子さんの作品(11/12文校ブログ)、《第3弾》は夜間部・ぱるぷんてさんと昼間部・生一昌之さんの作品(11/15文校ブログ)でした。
提出作品は全て、12月下旬発行の「文校ニュース」に載せ、文校の多くの皆さんの眼に触れられるようにします。
課題のタイトル6つについては、11/11文校ブログを参照してください。【小原】
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文学学校入学にあたって
川又俊朗(昼・小説・津木林クラス/岡山市/74歳)
パソコンに文章を打ち込んでいると、背後から嫁さんが覗き込んでいつもの嫌味を言う。
「そんな無駄なことはやめて、どっかボランティアでも行って、少しは人様のお役にたったらどうなの」
「無駄なことではない。いずれ日本文学史上に残る傑作ができる」
「そうね、十数年来の見果てぬ夢ね」
「夢じゃない。いずれ実現する」
「だいたい、あんたの小説に出てくる人物は、みんな地に足がついてない。あんたの人間性そのものやね」
「・・・・・・」
「もう幾つになるのかな」
「あと三か月で七十五だ」
「うーむ、後期高齢者か。時間切れか・・・・・・」
こうして私は文校入学を決断した。嫁さんを見返してやる。
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文学学校入学にあたって
奈良鹿乃子(なら・かのこ/昼・小説・平野クラス/東大阪市/45歳)
『初心者だが書きたい、自分を表現したいという人たちが大阪文学学校の門をたたいてきています」という文が、大きな木にランタンをたくさんつるした素敵な絵の下に書かれています。文校ブログには今日はこんな出来事があって、みんなで瓶ビールを何本、ワイン何本、缶チューハイ何本空けました! と書いてあります。
初めて文校のホームページを見たわたしはなんだか面白そうな所だなと思い、見学へ。小原さんとも話をさせて頂きましたが、「このあと釣り行くから(?)」と言われ、もう少し話を聞きたかったわたしは文校を後にしました。なんだかやっぱり面白そうな所。
入学するかはとても悩みました。行きたいという思いと同時に広がる不安の数と大きさに一度は入学を諦めたことも。でも日常の端々を自動的に頭の中で文章にする自分がいました。自分やったら今の情景はこう書くかな、と。自分、めっちゃ小説のこと考えてるやん、と気づいた時、たくさんあった不安もなんとかなる、不安が消えるのを待つといつになるか分からへん、と考え申し込み。お金の振り込みをする時は清水の舞台から飛び降りる・・・・・・というほどではないにしても、えいや、と自分を鼓舞しました。
平野クラスはみんな楽しい方たちばかりです。普通のおじさまが繊細でロマンチックな物語を、若くてかわいい女性が人が残酷に死んでいくお話を、素敵なお姉さまはとても魅力的な優しい作品を書かれます。
入学したからにはとことん勉強させてもらおう、約十三万も払ったのだから(はい、わたしはケチです)。そういう思いでわたしは文校に向かいます。
※【小原注)“釣り”などという優雅な趣味は持ち合わせていません。肩こりをほぐすための“ハリ”だったのではないでしょうか。そのころ、空堀商店街の中の整骨院に飛び込んだことを思い出しました。】
【16日(土)】・・第26回小野十三郎賞贈呈式。40名で、受賞者お二人(和田まさ子さん・安智史さん)を祝す。
11月16日(土)午後1時30分から4時すぎまで、中之島フェスティバルタワー12階のアサコムホールにおいて、第26回小野十三郎賞の贈呈式が、高田文月チューター(小野賞事務局)の司会のもと約40名の出席でおこなわれました。
コロナのために4年前(第22回)と3年前(第23回)は、大阪市北区の朝日新聞社の一室において、受賞者と主催・共催関係者のみの臨席で賞状と賞金目録の授与式のみでしたが、2年前(第24回)から従来どおり一般公開のかたちで執りおこなっています。
なお、今回の贈呈式の受付を今秋の新入生1名を含む5名の在校生が手伝ってくれました【写真・①】。
贈呈式の第1部では、まず大阪文学協会(文校の運営母体)小野賞実行委員会代表の葉山郁生さんの主催挨拶がありました【写真・② 中央が葉山さん/左端は司会の高田さん】。つづいて詩集部門について細見和之・文校校長、四元康祐さん<東京>、犬飼愛生さん<愛知>、詩評論書部門について葉山代表、添田馨さん<埼玉>、冨上芳秀・文校チューターと6名の選考委員から選考経過が述べられました。
そして授与式に移りました。詩集『途中の話』(思潮社)で小野賞受賞の和田まさ子さん<東京>、詩評論書『萩原朔太郎と詩的言語の近代』(思潮社)で小野賞受賞の安智史(やす・さとし)さん<愛知>それぞれに、賞状と賞金目録(30万円)が授与されました。また、お二人に思潮社と大阪文学学校から花束が贈呈されました。そのあと、お二人の受賞挨拶がありました【写真③・受賞挨拶をする和田さん 写真④・同じく安さん 写真⑤・お二人そろって】。
最後に、共催の朝日新聞文化部の藤橋一也・大阪担当部長から挨拶がありました。なお、後援の桃谷容子基金の以倉紘平さん、澪標の松村信人さんは、事情があって欠席でした。両者からは毎回、小野賞への協賛金をいただいています。
第2部は、選考委員のお一人である四元康祐さんが、「コトの詩、モノの詩、ココロの詩」というタイトルで一時間ほど講演をおこないました。会場との和んだやりとりもあり、とても勉強になるお話でした【写真・⑥ 講演する四元さん】。
受付テーブルの上に並べていた受賞作2冊は、あわせて15冊売れました。
◎4時20分頃からは、12階から地下1階に下り、イタリア料理店≪Mano―e―Mano≫に場を代えて、《受賞者をかこむ懇親会》が開かれました【写真・⑦】。ほぼ30名の参加がありました。そのうち、文校チューターは七氏(高田、葉山、細見、冨上のほかに中塚鞠子、高橋達矢。遅れて平居謙)。第1部のときには、松本衆司、津木林洋チューターの参加もありました。
◆大阪文学学校発行の文芸誌『樹林』25年1月(冬期)号で、第26回小野十三郎賞の受賞者(二氏)の「受賞の言葉」や詩部門・詩評論書部門それぞれの選評(六氏)を掲載します。
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◆小野十三郎さんは、大阪文学学校創立の1954年から91年まで校長を務め、96年10月に93歳で亡くなるまで名誉校長でした。
◆第26回小野賞の選考会の模様は、9月20日・文校ブログで速報しています。
(小原)
通教生の皆さんへ●樹林12月号(通教部作品集)のPDF公開
12/8(日)通教部スクーリングの合評会テキストになる樹林12月号(通教部作品集)のPDFファイルを公開します。
下記リンクをクリック(タップ)したあと、スクーリング案内チラシに記載していた閲覧パスワード(半角数字)を入力すると、ダウンロードできます。
スクーリング合評会は、出席人数やZoom等のつごうで、樹林1ページに記載されているクラスの組み合わせから変更になる場合があります。その際は、事前に「文校ニュース」や「文校ブログ」でお知らせします。自分のクラスに加え、いっしょになるクラスの作品も読んできてください。
なお、紙の雑誌は、発行予定日の11/25(月)、全通教生に発送します。
‘文校生空白県’だった佐賀県・石川県から通教部へ秋期新入生!★武雄市の45歳女性は15年半ぶり、河北郡の53歳女性は半年ぶりに再入学!【まだまだ秋期生を募集中。学費は割り引かれます】
◎佐賀県武雄市の女性は、事務局内の資料によると、2007年4月から09年3月にかけて日野クラスを経てたなかクラスに在籍していました。その時の居住地は宮崎県でした。
影響を受けた作家は、【夏目漱石、村上春樹、吉本ばなな、谷川俊太郎、枡野浩一】とのことです。
◎石川県河北郡の女性は、半年前まで約1年間菅野クラスに在籍していました。
今度の入学動機は、【小説家に憧れている。文学のすばらしさを書きたい。活字のすばらしさ、読書の大切さを書きたい。】とのことで、小説クラス希望です。
影響を受けた本や作家は、【外山滋比古『思考の整理学』 宮沢賢治】とのことです。
最初に文校のことを知ったのは、【北陸中日新聞】とのこと。
(小原)
昼間部の佐伯・伊藤クラスは合同し、作者を迎えて『樹林』11月(在校生作品特集)号の掲載作を合評。教室27名、Zoom1名出席。
『樹林』在校生作品特集(11月)号の掲載作を合同クラスで合評する週間は来週なのですが、事情があって火曜日・昼の合同合評会は前倒しし今日もたれました。
午後2時から、本科小説の佐伯クラスと専科/研究科小説の伊藤クラスが一緒になって、『樹林』11月号に載っている康玲子さん(伊藤C)の小説「壁の向こうは」<80枚>を合評しました【写真】。チューターお二人、作者の康さんをふくめて27名が教室出席、1名が和歌山県海南市からZoom参加。いつもとは違う雰囲気で、大いに盛り上がりました。
3時40分からは、別々の教室に分かれて、いつものようにクラス生の作品を合評しました。
◆午後6時30分からの夜間部(詩・エッセイの高田クラス、本科小説の西村クラス)はいつも通り、それぞれクラス生の提出作品を合評しました。
(小原)